「読書をすることで、人生が変わる」

寺坂祐一です。


まさに、私の人生がそうでした。いつも何冊も『本』を読み続けて、幾多の転機を乗り切ってきました。

【奇跡のケーキ屋さん】資金ゼロから人気店として成功するための8つの秘密_大濱史生さん著。

「加工やっていたら、この本、きっとヒントになるよ。函館で毎日行列が出来る、人気のスイーツ店なんだ。本も良い内容だから読んでみて」

高坂 重勝 (Shigekatsu Takasaka) さんから今年の春、この本と、チョコレートのスイーツ『ショコラ・ヴォヤージュ』が送られてきたんです。

高坂さんが言うなら、こりゃぁ、読まねば!です。

■まずはその人気のスイーツとやらを、食べてみようじゃないか。

そして早速、冷凍で届いた『ショコラ・ヴォヤージュ』(ピンポン球ぐらいの大きさの生クリームをほろ苦いチョコレートで包み込んだ冷凍スイーツ)を妻と食すと…。

うーん!悶絶っ!!
ガナッシュチョコレートと生クリームがお口の中で絶妙にとろけていく。脳みそもとろけていくような…。悩殺スイーツだった。

こりゃぁ…、行列できるわな。
商品力最強。一点突破戦略か?ランチェスター経営やっているのかな?すっごいすっごい。

今度は函館入ったときには、このお店に絶対行って、行列並んで賞味期限30分のクレープ食べて、現場検証せねば!です。

この商品力、集客力、魅力の源泉を知りたくなってこの本を読みました。

■寺坂農園の闇歴史…

したっけ、ほら、寺坂農園は野菜を使った6次産業化で野菜ドレッシング6種類を製造、販売しているので、絶対参考になると感じたからだ。

『資金ゼロから人気店として成功するための8つの秘密』。これはぜひとも知りたい。夏期には観光のお客様へおみやげとして、メロン直売所もオープンしているので、ぜひ、行列とやらを作ってみたい(妄想)。

結論から言うと、めっちゃ読んで良かった。
ブランド、人気店ってどうやって作られていくのか?行列はなぜ?できるのか。などなど、納得の内容だった。

そして、反省することも…。
著者の大濱さんは、いかに初期投資を少なくして、小さく産んで大きく育てるのか?ものすごく考え抜いている。

自分のお店の方向性、在り方を描き抜き、ぶれることなくスイーツ店を経営している。この気持ちが波動となってお客様に伝わっているんだろうなぁ…。きっとそうだ。

私が何を反省するのかというと…。
まぁ、詳しくは言えないのだがいろいろありすぎて。寺坂農園で取り組んでいる農業の6次産業化で、野菜ドレッシング6種類を製造・販売しているのは先にいましたが…。

最初は小さな加工場(昔の8畳事務所を改造した)で、小さく手作りしていて、販売本数を伸ばしていたんです。

4年ほどで年間2万本ほど売れるようになり、「よし!加工場を建てて、もっと伸ばしていこう!」となったんだ。

加工場も自分たちで建てて、なるべく中古の厨房機器を使い、コスト削減、投資額をおさえることに“とても注意しながら”建てて、加工機器をそろえていった。

そうしたら…。できあがってみると、結構な投資額に。あれもこれもと、保健所の指導がそうだから、と設備をそろえていくと、ブッタマゲの投資額となってしまった。トホホ…。大反省である。

補助事業を使って融資を受けて新築・新品でバーン!とやるよりは、かなり安く抑えたほう。あとは、これからのワクワク展開でこの宝物加工場を活躍させていく。

まぁ、衛生的で作業性の良い加工場が出来たことによって、これからの加工食品開発と販売先が広がっていくので、希望のある事業であることが救いだが…、

現実、まとまった額のお金が出ていくと経営者のプレッシャー、ストレスはハンパ無い。

反省じゃ。もっとしっかりとマネジメントすれば良かったと反省しきりである。この本を読んで、再度、反省です。

ほんと、過剰投資は身を滅ぼす。
その後の方向転換も損切りも難しいし、へたこいたら倒産・離農となってしまいます。5年経ったら時代の変化もある。

小さな成功をゆっくり積み重ねて、商品と販売力を高めてから製造力を徐々に高めていくことが大事です。はい、これは私自身に言って聞かせています。

■この本を読んで、琴線に触れた言葉。

『不便でもアンジェリック・ヴォヤージュにわざわざ足を運んで頂くことに商品の価値を置こうと思った』104p

寺坂農園のメロン直売所も、国道・幹線道路から離れた野菜・水田畑のど真ん中、メロン畑に併設して直売所を開店しているので、このページは響いた。商品価値をどう上げていくのか?詳しくは本著を。

『読書をすることで、人生が変わる』131p
→私も同じでした。富良野盆地のど真ん中、中富良野町の水田地帯で生まれ育った私は、地元農業高校を粗素業して18才から農民として土着し生きている私は、外の世界をまったく知りません。

読書をすることで、世界が広がり、可能性が広がり、幾多の困難を乗り切るヒントを得てきました。

『できないことは、他の人に頼めばいい』140p
→根っからの百姓の自分。なんでも自分でやってしまうことになれてしまって、オーバーワークで倒れること数回…。これも反省。

自分の弱みを認識し、弱みを周囲の人に見せて良いのです。そして苦手なことを助けてもらって、協力し合って良い関係を作って、より良い商品・サービスを社会に提供できればいいのです。

『商売には、お金の流れる川がある』151p
→この川に飛び込みたいわ。じゃぶじゃぶお金が流れるか川、夢のような世界ですね。『お金が流れる川』って、どこにあるのか?あなたは考えたことありますか?

エスカレーターには登りと下りがあります。あなたがこれから始めることは、登りのエスカレーターですか?下りのエスカレーターですか?

『与えたものは、戻ってくる』154p
→これ、難易度高いやつだ。共感する。分かっているんだけど、先に与える、ことが大事。いや基本なんだぁ。
修行の足りない僕は、『与えたら奪われた』イタイ経験多数で、これがなかなか…ね。

私はそれでも、『分かち合あうことで、もっと豊かになれる』を実践・修行中のみでございます。道のり長き修行は続く…。

『売上げアップを考えるのなら、高く売れる商品を検討すること、また、お客様が他と比較しやすい商品を選ぶこと』177p

→お米の直売が難しい、のは、これかと。いま全国、おいしいお米だらけで、差別化・比較が難しいですものね…。ジャガイモやタマネギなども、差別化がむずかしいですよね。

どうやってら比較しやすくなるのか?高く売れる農産物とは=お客様が喜び幸せ時間を過ごせる農産物とは?常に感じアンテナ張っていかなきゃ、です。

など、など、気づきと学びがギュッと詰まった1冊です。

■まとめ

農業で直販、通販、6次産業化をしていて加工食品販売している人、絶対に読みなさい(命令口調)。

スイーツ店経営しているあなた!
必読の書、って、こういう本。大濱さんの一貫した実践と結果と成果と経験を、これほどオープンに公開していることに感謝しかありません。

観光地で商売している方、地方で商売していて”行列を作りたい”方は、この本が大いに参考になるでしょう。『地方で行列』がキーワードです。

著者の濱田さんは「一人ひとりのお客様に、笑顔と幸せがある場所と時間を提供し続ける」為に、日々精進を積み重ねています。

私も思いっきり見習って、来年の農業経営を、寺坂農園の10年後を妄想して、経営計画をネリネリしていきます。もっと、お客様を『農と食で幸せと感動と喜びいっぱい』にしていくのだ。気合い入ってきた-っ。

良書との出会い、高坂さんからの本のプレゼント頂いたことに、感謝を込めて。

■あとがき

久しぶりの読書感想文のとーこー。
「ちょこっとだけ感想を書こう♪」って書き始めたけど、力作長文になってしまった。

それだけ、大きな衝撃をこの本から受けたんだね、自分。

本と出会いは、人との出会い。人との出会いは、人生が広がる。世界が広がる。

これからちょくちょく、また読書レビュー上げていくので、よろしくですー。

あ。
「こんな長文書いてるヒマあったら、2冊目早く書いてくださいよっ」担当の編集者に怒られそうだ。いや、怒られる。うん、きっと怒ってる。

書きます、書きますよ!これから冬に向かって農作業は少ないので、2冊目ガンガン書きますよ。
明日から…。