「柿を5kg送ったら、お客様から『多すぎて食べきれない!』ってクレームが来るんです…」
わかるーっ!農家直販あるあるクレームです。
おはようございます。息子君が買ってきたコミック漫画『ミステリと言う勿れ』にどハマりし3巻まで読み進めたところ4巻以降が無いっ!息子よ早く買ってこいーっ!とLINEし悶々としているメロンおじさん寺坂祐一です。
■先日、『農業始めたい人の学校』の10月寺坂講義。テーマは『直販でよくあるトラブル・クレーム対応完全マニュアル』でして、その中で出た質問です。
「ふるさと納税で『柿5kg』をだしているのですが、送ったお客様から『多すぎて食べきれない!』って2件クレームが来たんですよ…。寺坂さんだったらどうしますか?」
おぉ~。わかるわかる。
食べきれない量で困るという…。
農家直販でよくあるクレームです。
■日本の平均世帯人数はたったの2.37人
しかも1人暮らし単独世帯は約40%。2人暮らし世帯は約30%となっており、ドラマなどでみる1家族4人以上というお家は1970年代の話し?どうやら遠い昔のことようです。
つまり日本における7割弱の家庭は1~2人家族である、という事実。通販直販農家にとってこの数字は注視する必要があります。
農家って家族経営が多いので3世代家族とか4人以上の家族が多いと思うんです。実感が沸きづらいだけに、この今の日本の平均世帯数をよーく考える必要があるんです。
1人暮らし、もしくは2人暮らしの家庭に柿5kg(8個ぐらい?)が届いたら、ちょっと食べきれないですよね
寺坂農園も直販を始めて24年。ダイレクトマーケティングを取り入れてから19年間研究と実践を続けてきた中でも…。
24年前、初めてメロン直売所をオープンし同時にカタログ通販も始めた当初は、メロンだと3~6玉入りがよく売れました。1玉入りはあまり売れなかったです。
ですが今はほとんどのお客様が1玉入りか、多くても2玉入りを選びます。理由はもちろん「そんなに食べきれないから」です。
お客様は、お届け先が喜ぶかどうか?で商品を選びます。老夫婦2人暮らしの家庭に『メロン特大4玉入り』なんで送ってしまったら、相手先が困るのは明白、食べきれず痛んでしまうことは容易に想像できます。
特に寺坂農園のメロンは『大きくて甘くておいしい』をスローガンにしており、3kgもあるデカいメロンを見てお客様は「こんなに大きいんなら1玉で十分だわ」と1玉入りが売れていきます。
■少量商品は送料割合が高くコスパは悪い。
1玉入りでも2玉入りでも宅配便で送ると送料は同じ。メロン1玉あたりの送料は2倍違ってきて1玉入りの方がコスパが悪いのですが…、直売所と通販では1玉入りがよく売れていきます。
私の推測なのですが、お客様は『2玉入りを購入したほうが1玉あたりの送料分がお得になる』よりも『1玉入りを購入し、食べきれないリスクを避ける=損をしたくない』方を選ぶ傾向があるようです。
『得をしたい』<『損をしたくない』
心の痛みを避ける、のは人間が生き延びるために得た行動心理なのかも知れません。
■ですので「柿を5kg送ったら、お客様から『多すぎて食べきれない!』ってクレームが来るんです…」
に対する私の答えは
「少量の商品を作れば良いんです。お客様目線でお客様望む量・規格でパッケージを作れば解決します」
「たとえば、柿だと半分の2.5kg(4玉)入りとか。送料が割高になりますが、必要な量だけを求めるお客様は選ぶハズです」
寺坂農園でも同じ問題・課題が発生していました。アスパラガス1kgは多すぎる。トウモロコシ12本も食べきれない!カボチャ3玉もどうするんだ!などなど…。
・最近のヒット商品としては『トウモロコシ4本入り(黄色2本・白色2本)』の売れ行きがいいですね。
送料を入れた1本あたりの単価は高いのですが、やはりここでも「そんなに食べきれない」というキーワードが購買心理に現れてくるのです。
こんな少量を送料かけて北海道からお取り寄せって売れるのかな…、と思いながらもラインナップを増やしてみると、やっぱり売れる。
今の平均世帯人数の傾向に現れているとおりに商品が選ばれ売れていくと言うことですね。核家族化はまだまだ進みますから今後、この傾向がさらに進んでいくと推測できます。
■農産物の少量セットを作りましょう!
少量パッケージ商品を作る事も大事ですが、核家族化が進んだ今、一番売れる農産物・野菜の直販はやっぱり『少量多品目』のセットです。
寺坂農園の事例としては、今年から『アスパラ3色セット』を販売開始しました。
お届けするのに直販農家として手間暇は大変ですが、私はそのためにわざわざ紫アスパラガス『パープルタワー』の栽培も始めたほど。3年がかかりの商品企画です
もちろん、単価が一番高くなっていますが、一番人気のアスパラガスお取り寄せ商品となっています。
少しずついろんな種類を楽しみたい、というお客さんの気持ちに寄り添って野菜を育てお届けしていくことが直販農家に求められていますね。
ほい、今日は『農業始めたい人の学校』の10月寺坂講義。テーマは『直販でよくあるトラブル・クレーム対応完全マニュアル』でして、その中で出た質問についてのお話しでした。
『農業始めたい人の学校』本業をやりながら講義・運営していくのが大変ですが、受講生の農業人生成幸を願いなら本気で農業を語れるこのプロジェクトは私のライフワークです
では今日も一日、マンガばかり読まずにたまには農業書も読まなきゃなー、と思いながらも、自分と自分の周囲の人がより一層幸せに豊かになるよう、自分の能力を発揮します!彌榮っ( )/▢
北海道・富良野からおいしいメロン・野菜を全国にお届けし、お客様に「おいしいっ」と喜んでほしい』を理念と据え、産地直送に取り組む農業を続けています。