「シャチョー、お客様がお怒りです。『社長じゃなきゃ話にならん!』と言ってまして…」
受付担当の女性スタッフ iさんが申し訳なさそうに報告上げてきた。
キターーーーーッ!「社長を出せ!」出番だーっ
↑8月収穫予定の青肉メロン『クレセント』の今
おはようございます。今朝、8月収穫予定のメロン達をゆっくり観察していたらアブラムシがなかなか広がっていてクラァ~っときているメロンおじさん寺坂祐一です。
数日前。メロンで忙殺されている私に「シャチョーいいですか?」と受付嬢 iさんが深刻な顔をして近寄ってきた。
おっと。このパターン。
嫌な予感しかしない。
いつものように覚悟を決めて話を聞く。
「お客様からの電話なのですが、かなりお怒りです。なんか発送件数が間違えたようで…。お客様は『直売所で8件送った』と言っているのですが、調べても7件しか送り状が見つからなくて…」
「おっ、そのパターンか。こちらでの発送忘れか…。宅配便送り状が風で飛んだりしたのかな?どっかに入り込んだのか…」
「はい…、それで届いていないお届け先を確認しようとしたのですが、お客様が『社長じゃなきゃ話にならん!』と言うもので…」
「わかった。電話するわ。いずれにしろ悪いのはうちだから、その届いていない1件分のメロン発送はお届け先を聞いた上で、こちらで被るしかないな」
私は深呼吸してから事務所に入り、そのお客様に電話をした。呼び出し音が鳴ると直ぐにお客様は電話に出たので慌てて
「あっ、あのぉ~。寺坂農園の寺坂と申しますが」
「おーっ!シャチョーさんか?覚えているか?直売所でメロンを買って名刺を渡した尾川(仮名)だよ!」
キツくて強めなおじさまの声が受話器から響く。
「あぁ~っ、お名刺を…」(どの人だかわからない私)
「そうだよ!札幌の○○さんと一緒にすごいでっかいメロンを8件分買った尾川だよ」
(やばいっ!やっぱり8件って言ってる。7件分しか控えがないから謝らなくては!!)
「この度はすいませんでした!8件分のご注文頂いているのに7件分しか・・・」
「いやー!そうだよ!送ってもらった先々から『すごいおいしかった!』と絶賛されたよー」
「はぁ…、それですのにこちらの不手際で…」
「8件送ったところみんな絶賛だったよ!そのことをあんたに直接伝えたくて、社長さんを出してもらったんだ。これは事務員さんに伝えてもダメだろう」
「はぁ?」
「とにかくあんたはたいしたもんだ。この旨さを作り出すなんて並大抵なことじゃできない。僕も食に関する会社を経営しているから、すごーくわかる。いや、見事なもんだ。○○メロンとかより格段に上だな」
「えぇ?!あ、ありがとうございます…。あのぉ~、てっきりこちらの発送ミスかなにかと思っていたのですが…。怒られるなぁ…と」
「何言ってんだよ。違うよ~。僕はあなたに直接、この感激した気持ちを伝えたくて事務員さんに社長さんを出してくれってお願いしたの!」
「あ…そうだったんですか!失礼しました!」
「これだけおいしいメロンを作って直売するまでに、君、相当苦労しただろう。田舎で人と違うことをするっていうのは大変なことだ、俺も苦労したからわかる。よくぞここまでやってのけたもんだ。追加で自宅分を頼むわ。そして来年からお中元は全部お宅のメロンを使わせてもらうぞ。」
「あ、ありがとうございます!」
「これからもがんばってよ!」
私は腕に鳥肌が立ち、泣きそうになった。
精一杯「ありがとうございます!」と感謝の気持ちを尾川さんに伝え電話は終わった。
私は電話を切った後直ぐに受付担当のiさんに向かって「メッチャ褒められたんだけど!」(笑)
「だってぇ。怒った口調なんですもん。『発送状況を調べますね』って言っても『社長を出せ!』しか言わないんですもん」
iさん、ちょっといじけていました(笑)
あ~、ビックリした。
私もてっきりクレーム対応だと思い込んでいましたわ
※ちなみに8件の発送、控えが7件しかない件。
お友達が購入した分も含めて8件とのこと、でしたーっ
だけど、毎日のようにメロン直売所でお客様からお褒めのお言葉をいただきますが、これほどまでにメロンのおいしさを褒められるなんて率直に嬉しかったです。
昨年からおもいきって赤肉メロン品種を『クインシー719』に切り替えてよかったなー!って思いました。(←これマジで背水の陣なんです。売れなくて他に出荷したら品種が違うためゴミ値になるのです)
栽培技術を磨き抜いてきてよかったなー、と思いました(今でも失敗しているけどっ)。
寺坂農園で8月から収穫される青肉メロン『クレセント』はもっとおいしいのになー、動揺してオススメするの忘れちゃったなー、と思いました
私が世界一おいしいと信じて疑わない、とってもおいしい青肉メロン。順調に育っています♪
では今日も収穫したメロンを全国発送する志事と、メロン直売所での対応に命を燃やしながらも、自分と自分の周囲の人がより一層幸せに豊かになるよう、自分の能力を発揮します(^^)/
北海道・富良野からおいしいメロン・野菜を全国にお届けし、お客様に「おいしいっ」と喜んでほしい』を理念と据え、産地直送に取り組む農業を続けています。