「あ゛っ!!!」
みんなでメロン定植作業を進めていて後半戦。ホーラーという穴開け農具で定植穴掘りをしているスタッフが叫ぶ。彼の方向に向かって全員が振り向く。
この作業工程で穴開け係が発する「あ゛っ!」との言葉。今までの経験から最悪な予感しかしない…😱
おはようございます。昨日は10時からお休みをいただき妻と『美瑛町:じゅんぺい・エビ丼』を食し白金温泉で体を温め心も体もポッカポカになったメロンおじさん寺坂祐一です。

■先月の末、第2回目のメロン定植でのこと。#寺坂農園事件ファル42

第1回目と2回目のメロン畑は地中に温水パイプを埋設して加温する促成栽培。
これにより6月から甘くておいしいクインシー719を収穫・全国発送&直売所での販売を始めることが出来ます。
一本は通路側のメロンの実がなる位置に埋設。
もう一本はメロン苗を植える手前15cmという攻めた位置に地中深さ約10cmで温水パイプを埋設しています。
畑作りで一番大変な作業が温水パイプの埋設作業。そして慎重に正確にまっすぐ温水パイプを埋設しなければなりません。ハウスの長さは100mありますが、それでも極めてまっすぐに施工しなければなりません。
なぜなら…。
温水パイプの位置がずれていたら、定植穴を開けるホーラー(刃先は尖ってる)をガシッと土に刺したとき、温水パイプに当たると穴が空いて…。
定植穴から60度の温水が噴き出します😱
えぇ…、そうです。穴掘り担当者が「あ゛っ!!!」と声を発したのは・・・。
私は一呼吸置いてから聞いた。
「ど、どうした?」
「シャチョー!何か当たりました。そしてお湯が沸いてきましたー!」
キターッ!😭数年ぶりだ、この痛恨のミス。
そこで私は
「おおー!お湯が出たか。テラサカ温泉を掘り当てたな!」
ジョークを噛ましたけどみんなスルー。

現場は騒然😱

お湯がぶくぶく沸き出し続ける。
この事故を起こさないためにどれだけ水糸を何本も慎重に張りまくって丁寧に作業を進めてきたことか…orz
「温水パイプの収縮でずれたのか?埋めるときにずれたのかなぁ。次から穴開けるときはゆっくりホーラーを刺してみてくれ」
「シャチョー、次の穴も温水パイプに直撃です。真下にあります」
「えぇ~っ、なぜだ?水糸張る位置と定植位置の水糸目印を間違えたか??」
原因を究明せねば。それでなければ、このまま作業を続けると温水パイプが穴だらけになってそこら中でお湯が噴出する。メロン定植作業がいつ終わるか?まったく分からなくなる。
すでに水糸は回収済みだが、ハウスの入り口と出口両方に目印杭は刺したまま残こしてある。メロンの定植位置はポスカで点を打ってある。
植え終わったメロン苗と、これから植える定植位置を示す点を見通しても、まっすぐに見える。うーむ。
中央・定植位置・温水パイプ・灌水チューブの位置を木の棒に目印した物差し『馬鹿棒』を持ってきて現場検証も始める。
「うーん、定植位置がずれているな…。なぜだ?」
ハウスの奥に行き、目印杭からメロンの定植位置を見通してみると・・・ま、曲がっている!!すでに植えたメロン苗がゆるいカーブを描いていて温水パイプの位置と被っている。
「原因が分かった。定植穴の点を付けるとき、水糸が曲がっていたままだったんだ。おそらくちゃんと水糸にテンションかけないで張って、点を付けているうちに風で水糸がずれたんだろう。そしてそのまま、目印点を付けていった…と。」
がく~ん。
こうならないように、口が酸っぱくなるぐらい注意したのに。細かく丁寧に水糸の張り方と注意点、ずれた場合に起きるお湯噴出事故についても説明したのに…。
これも経営者である自分の責任だ。
教え方が悪かったのだ。
チェックが甘かったのだ。
新人スタッフさんは、今までの仕事と今の仕事、そしてこれからの作業との連続性がまったくわからない。これから経験を積んでいくところなのだ。
さらには、慎重にとか、まっすぐに!とか、どこまで精度を求められているのかもわからないのだ。水糸のクセすら知らない。
だから、起きるべきして起きた事件なのだ。なるほどなぁ…、勉強になりました。

■で、気を取り直して!

「さー、泥遊び始めるかー」
みんなには定植位置をずらしながら作業を続けてもらい、シャチョーは一人で事故処理。
マルチフィルム切って、スコップで泥土を掘り起こし、穴の空いた樹脂パイプ切ってSPジョイントで長めに繋いで(収縮して外れるのを防ぐため)再度埋設。
マルチフィルムでふさいで補修テープを貼って完成です♪余裕だぜ。どんな問題も乗り越える♪
数年ぶりだな…、この修理。
本気で面倒かつ余計な作業。
もう2度としたくない泥遊びだ(笑)
この事態を想定してSPジョイント(樹脂パイプ通しを繋ぐソケット部品)を購入在庫しているボクちんを誰かほめてくれ(つーか、この事故だけは起こしたくなかった…)。
「おーい!もう在庫のジョイント部品がないぞー!慎重に穴開けてよー」
スタッフさんに達緊張が走る。
(おいおい、のこり120m程…、温水パイプと穴の位置、大丈夫なのかよ…)穴掘り係スタッフ、そーとー緊張感あったでしょうが、なんとか日が沈む前にメロン苗の定植作業を終えることが出来ました\(^o^)/
あらためて農業経営者として、教える立場として、反省と学びだらけの事件でございました。
「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」
↑徹底している”つもり”だったんだなぁ。反省じゃ。春になり新人スタッフさんがどんどん入ってきていますが、何も分からなくて当たり前なのが新人さん。
経営者・指導側の力量が作業効率をどれだけ高めることになるのか?を再認識させて頂きました。
今日は、テラサカ温泉がメロン畑で噴出!というお話でした。
では今日も一日、進めれば進めるほどやればヤルほど作業が増えるという春作業現象にワタワタしながらも、自分と自分の周囲の人がより一層幸せに豊かになるよう、自分の能力を発揮します!彌榮っ( 😊)/▢