“ぶっちゃけ”農業論がてんこ盛り!
【誰も農業を知らない】プロ農家だからわかる日本農業の未来 有坪民雄さん著

読んで、口があんぐり…。
よくここまで農業全般を客観的に分析し、気持ちいいぐらいに鋭く解決案と方向性を書けるな…って、驚愕でした。

オビの裏から引用です


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■大規模農家ほど価格下落に弱い
■6次産業化は絵に描いた餅の典型
■未知の人ほど言いたがる「農業にビジネス感覚を」
■なぜ農家は儲からないのにやめないのか
■米輸入をシュミレーション-さほど安くならない現実
■いま、新規就農はしやすい。しかし適性がある。
■海外市場は開拓可能
■兼業農家を残すべき理由
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はい、衝撃的な文字が並んでおります。くわしくはこの本を読んでみてください。

私が一番、ガビーン!って来たところは74p【6次産業化は絵に描いた餅の典型】。

「あちゃぁ~、うち、やっちゃってるよーっ」と、半べそ気分です。で、この章を読み進めていくと、まったくその通りで考え込んでしまいました。

----74pから----
(農業の6次産業化は)戦略として非の打ち所がありません。しかし、農家から見るとそれほど説得力があるわけではありません。「理屈はわかった。でも、やる時間はあるのか。成果は上げられるのか」といったいった疑問に対する答えがないからです。
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著者の有坪さんは、加工食品製造販売やインターネット直販で成功している農家は、ほんの一握りだといます。

問題は、人財と時間。
寺坂農園でも、6次産業化として農産加工品に取り組み、野菜ドレッシング6種類を製造し、卸売りと直接販売を行っていますが、ほんと大変です…。

担当者が退職したときは「今までの投資、どうしよう…、事業撤退か」と、青ざめたときがあります。

農業を法人化する前ですと、農業をして収穫した農産物を直販するだけでも大変なのに、誰が?いつ?商品開発して製造して販売するんじゃ!つーのが現実ですよね…。

農産加工食品の製造販売、6次産業化は、そーとー自分の商品に思い入れと情熱がないと、自爆路線まっしぐら間違いないです(経験談)。

投資がともなうので、変化に弱いですから。当農園も綱渡り状態ですよ(笑)。
「今の担当者がやめたら、すべておしまいだ…。」「商品に菌が入ったりしたら、一発ノックアウトだ」などなど、ビビりまくりの世界です。

一方、次の商品開発展開や品質のグレードアップ作戦、5年後のビジョンなど、ワクワク戦略もネリネリしているので、おもしろんですよー。

農業の6次産業化への挑戦はリスクも大きいけど、農業を1.7倍おもしろくなります。

ただ、農業の6次産業化に取り組む場合の、問題点・盲点・マーケティング手法・解決策が提示されているのが、この本のすごさ。ぜひ本で欲しいです。

■農業論語るの好きな人
■なんで農業って儲からないんだろ…悩んでいる人
■農業の6次産業化に取り組んでいる人、取り組もうとしている人
■農業に危機感を持っている人
■農業がメッチャ大好きな人

この重厚な内容の農業書、超絶お勧めです。おもしろかったー!勉強になったー!

私も、もうちょっと冷静になって、この本の6次産業化のところをしっかり読み込んで、社員ともシェアして、ゆっくり進めていきます。

今日は久しぶりの晴れ!明日から雪降りまくりの予報。お外の片付け作業をしっかりやりますねー。
では、今日も笑顔で!