農業経営、ここまで極るなんて…。


寺坂祐一です。

自分の既成概念が崩れ落ちました。すごい。農業経営の奥深さを見た。農業経営についてがっつり書いてある。

【これからの農業は組織で勝つ】-売上5000万・1億・3億円を突破する農家の人材育成・組織づくり- 藤野直人さん スター農家Hさん著 同文館出版

自分、一気読みでした。わかる!すごい!寺坂農園の今抱えている課題・問題の解決法が全部書かれている。わぁお。

そして、今、私が気づいていない経営課題まで浮き彫りにしてくれた、すごい農業経営、組織作り指南書。

農業を『組織』という視点で、給与待遇からマネジメントから販売戦略からと、てんこ盛りで書かれています。

実際に売り上げ5億円の農業経営をしているスター農家Hさんに、農業総合プロデューサーの藤野直人さんがインタビューしていく形式で話が進んでいきます。

とっても読みやすいのですが、そのスター農家Hさんの回答、経営手法がすごいしっかりしていて驚愕レベルだ。

すっごい農業者って、いるんだなー。
めちゃくちゃ刺激受けまくりです。
本を通じてすごい農業経営者に触れるとビリビリきちゃいますね。

人は人の影響を受けるから、こういう本をどんどん読んで脳内インストールしたい、いい影響を受けつづけるのだ。本との出合い=人との出合い、なのだ。

■どんなことが書かれているのか?

どんなことが書かれているのか?章立てを引用したほうが伝わると思うので、以下に書きますね。
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1章 そもそも「待遇の話」
2章 儲かるポイントを理解する
3章 覚悟の問題
4章 ちょっとしたテクニカルな話、中期経営計画の策定
5章 職種と採用する順番
6章 10倍効果が出るので、教科書通り、他産業並みにやる
7章 「管理」に関する設計
8章 「理念浸透」に関する設計
9章 「評価」に関する設計
10章 「教育」に関する設計
11章 「採用」に関する設計
12章 デザイン・ブランディングで組織の見せ方を作る
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ね?すごくない?
やっぱり売り上げ5億を超え10億を目指す農業経営者は、違う。絶えず難しいことから逃げずに取り組み続けている。

深いところまで学んで考えて、徹底して考えて実行している。こういう経営者に、人ってついてくるんだな…。納得。詳しくは読んでみて欲しい。

私も、富良野メロンの栽培と直販・通販による産地直送に取り組んで21年経ちますが…。

ここ8年ぐらいは、売り上げ1億超えたところでウロウロしている原因が、心にぐさぐさ刺さりまくりで書かれていました。

正直、悔しさを感じるよ。自分がまだまだ未熟な農業経営者だっていうことを、この本を読むと再認識せざる得ない。直面せざる得ないくぅ~っ。

このスター農家Hさんは、やることやっているから農業経営組織が強くなっていってる。結果が出ているのも納得です。

各章、心に響く話ばかりでしたが、その中でも2つだけ、きょーれつに刺さったところを紹介します。

■中長期的に強みにできる、真の差別化の源泉は、「生産現場」にしかない。 35p

→やはり、生産現場。生産力、栽培技術が大事なんですね。高品質な農産物をたくさん収穫できなければ、そもそも始まらない。

寺坂農園もメロンの直販・産地直送に強いと言われていますが、もっとおいしい感動するメロンを育てる技術力を、どこまで高められるか?挑戦し続けるのだ。

■問題は経営者自身にある。(中略)組織が拡大しない、成長できない経営者の特徴は明確です。それは、『自社の社員の文句ばかりを言っている』ことです。経営者自身の人間性を向上させていきましょう。129p

→ガーン…。全くその通り。図星。本質だ。反論の余地なしでございます…。なんか悔しいぞーっ。

そうなんですよね。経営者の器がそのまま売上利益に反映されるんです。経営者の人間性に、売上が比例するんです。

電柱が長いのもポストが赤いのも、全部、自分の問題なんです。

よし、あらためて経営者としての自覚をもって、自分磨きに励んでいこうではないか!と、気合入りました。

■まとめ。

この本は農業書の枠に留まらない。会社を経営して売上げ5000万→1億→3億突破を成し遂げていく指南書である。

農業経営していて、もしくは事業を営んでいて「成長が止まっているな」「業績が伸びないな」と感じている方、この本を読んで反省しましょう。

そして、一つずつ出来ることから行動していきましょう。きっと良くなっていくはず。

農業経営者さんでしたら、必須の課題図書です。あなたには社会的責任があるのです。

【これからの農業は組織で勝つ】読むと、一時的になんか辛く悔しい思いに駆られるかもしれませんが、それをバネに農業経営をもっと良くして、周囲の人をもっと幸せにしていきましょう。

その壁、超えられます。

■あとがき

『人が育つシステム』がたんまり書かれている本。これだよ、寺坂農園に足りないものは。だから1億超えたところでうろうろしているんです…。

(気持ちが3億超えを狙っていない、というのもあるかな。どちらかというと、もっと現場でおいしいメロン作りをしていきたい方)

この本の後書きの最後に
『いい会社、いい組織を作りましょう。組織作りを成功させ、地域のスター農家になってください!』
著者のメッセージが書かれています。

そうなんです。地方地域って、やっぱり農業地帯が多い。その中でスター農家が生まれることによって、仕事が生まれ、雇用が生まれ定住者が増え、それがじわじわと地方創生に繋がっていきます。

この本が日本全国たくさんの農業経営者に読まれて組織作りに取り組み、どんどん地域のスター農家が増えていくことを願うばかりです。

農業をもっとおもしろく。魅力ある志事に昇華させていきましょうー。