えっ?見える?見えない…。
老眼が進んでいる46才のおじさんには、難易度高い害虫診断…。

寺坂祐一です。

自分、メロン農家28年で鬼速PDCA回しまくっていたので、小さな小さなハダニ発見能力には自信あるが…。

誰よりも早く、メロンの葉の裏に隠れているハダニを見つけることが出来る。メロン葉の表を見たら、ピンッとくる。

ハダニは怖い。
「あっ、ハダニ見つけた。明日にでも防除しよう

なーんてのんきに構えていたら、3日であっというまに増殖・拡散し、一面メロンの葉が吸汁害でやられて、黄色くなっていく。

葉が黄色い=光合成能力の低下なので同化養分の生成が低下し、メロンのおいしさがぼやけてしまいます。

甘い、おいしいと評価・評判の高いメロンを安定的に育てるには、ハダニの早期発見と丁寧な殺ダニ剤散布が欠かせません。

今年は、6月~7月にかけて、北海道・富良野地域は高温・乾燥というメロン栽培にぴったりな天候で推移。超豊作中でございます。ありがたや。

 

しかーし!とはいうものの…


その富良野メロンにとって適した気候は、宿敵ハダニ達にとっても、最高に繁殖まくる快適な天候なのです。

今年は、メロン農家さん、スイカ農家さん、みんなハダニの害に苦労されたと、あちこちから聞こえてきています。同感です。

当農園も、お盆時期を迎え残りのメロンも少なくなり、後は4棟。そのうち3棟は9月から収穫・全国発送していく青肉メロン『オルフェ』です。

すでに2000玉を超える通販予約注文を頂いているので、毎日毎日、早朝しっかりと見回りをし、徹底してハダニ発見、あとアブラムシとうどんこ病の発見と予防に真剣です。

そんな日々の中、3日前…。
いつもお世話になってる種苗会社の営業さんがやってきて、今年のアスパラガス養成期間終盤戦の肥料管理、病害予防管理を打ち合わせしていたら…。彼が、

「あ、そうだ。寺坂さん、アスパラガスにハダニが出て問題になっていますよ」

「えっ、ウソーッ!アスパラガスにハダニ??聞いたことないよー。メロンは酷く発生した年だけど…」

私は、比較的強い作物であるアスパラガスが、ヨトウムシに食害受けるのは良くあることだが、あの小さな小さなハダニがアスパラガスを吸汁害を起こすなんて、にわかに信じられなかった。

アスパラガスもメロンハウスの見回りついでに観察し続けてたし、アスパラガスの擬葉(葉の代わりに光合成する細長い茎)が白くなったり、黄色くなったりは見られない。

逆に生育は旺盛で、この酷暑を乗り越えて脇芽の吹き出し方も良く、来年の収穫量を楽しみにしているぐらいだ。

「ちょっとごめん、アスパラガスにハダニいるか?見てもらえる?」

私は忙しい彼にちょっと時間をもらって、アスパラガス畑でハダニがいるかどうか、見てもらった。

彼は、手のひらの上にアスパラガスの茎葉を軽く載せて、揺さぶる。

すると、ハダニが手のひらの落ちてくるはず…だが。パサパサ振り落としても見つからず

「寺坂さん、大丈夫ですね。ハダニ、いませんね。」

一安心した私。よかったーっ。私はメロン農家なので、ハダニ被害の恐ろしさを知り尽くしているので、心から安心した。

彼と、アスパラガスの肥料管理談義をしながら、もうちょっと畑の奥に入ってみると、そこで私は見た!(写真一枚目)

「あっ、いる!ハダニだ!」
赤色した小さな小さな点。46才老眼のおっさんには、ギリギリ見えるか見えないかの世界。

「ホコリか?」
と思って、じーっと見ていたら…。テケテケッと動くし。ハダニ走っているし!繁殖しまくっているし!めっちゃ元気やん!

「寺坂さん、これですよ。ハダニいましたね…。これ、ほおっておいたら3日ぐらいで蜘蛛の巣張りはじめて、コローニーを作りますよ。そして、猛烈に広がっていきます」

うげぇぇぇぇ~!!
それ、知ってるーっ。広大なハダニワールドを作り上げていくんだよねー。アスパラガスの汁をガンガン吸い取りながら…。

その日のうちに彼に殺ダニ剤を持ってきてもらい、丁寧に散布。翌日確認したら、殲滅されていました。ふぅ…。

おっかねー。アスパラガスにハダニ発生するって、どんだけ暑い夏だったんだよ。でも、条件揃っているから、ハダニも元気だよな…。

実は、もう一棟のホワイトアスパラガスも確認しに行ったら、すでにハダニたちはコロニーを作るぐらい大繁殖していて、アスパラガスの茎葉も白くなってきている部分がアリ、すでに部分的にやられていました。とほほ…。

ホワイトアスパラガスの畑もその日のうちに、殺ダニ剤を丁寧に散布し、被害をくい止めることが出来ました。

 

くぅ~、油断ならんな。

メロンばかり観察し、慎重に生育を見ていたかたわらで、アスパラガスでハダニ発生とは…。

人生、何がおきるかわからないものですわ。まさか、ま坂、まさか!の連続でございます。えぇ…。

アスパラガスの夏~秋は旺盛に生育し、光合成をたっぷりして同化養分や糖、アミノ酸など生成し根に転流、越冬に向けて蓄える。

それが翌年、雪解け後に芽吹き出し、それを私達が切り採っておいしくありがたく食すのがアスパラガス

まさか、ハダニにチューチュー吸汁されていたとは。横取りかよっ!許さんぞーっ。

長くなりましたが、話の締めとしては『農産物を育てるには、とにかく“観察”が大事』ということを再認識しました。

よーく観察し、作物から現状を感じ取って対策サポートし、その植物が持つポテンシャルを最大限まで引き出す。

それが農民の仕事。
その先には、食べた人の“おいしい幸せ”があるハズなんです。それを探求し続けるのが、私の志事。

それでは!今日もメロン畑へ。収穫作業に行ってきますー。