「この人、農業で成功する人だ」って確信した瞬間。
先日、山形県から「是非、富良野に行ってお会いしたい」と新規就農5年目、果樹農家経営の渡辺さん(真ん中)がお友達といらっしゃいました。
おはようございます。昨日は私の投稿を読んだ妻から
「なにが『大掃除手伝いか?ガンプラか?悩んでる』だってぇ?!あんた絶対に掃除手伝わないだろ。ガンプラ作るんだろ。そんな気もないくせにネットではいい人演じやがって…」と永遠となじられてもガンプラ制作(ザグⅡメガサイズ1/48)でヤスリがけしまくっていた寺坂祐一です。
ガンプラ道は、あらゆる外的要因を乗り越えていく強い精神力が養われていきますね。
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若き渡辺さん、ラフランスやリンゴを栽培・販売している若き新規就農者。
「寺坂さんの本をやYouTubeを見て、ぜひお会いしたくて」
わざわざ山形から…、ようこそです!
「新規でよく5年経営継続できましたね!親から跡継いでやっても大変な農業なのに…。しかも果樹で!」
1週間前に届いた彼の育てたらフランスも上品な食管でとてもおいしかった。これは直販で売れるわ。お客様からのリピート率も高そうだ。
私はさらに彼のここまで来た行動力と経営力に興味を持った。
「まだまだ大変ですが、産直に取り組んでいくといろいろ大変なことがありまして…」
農家の取り組む直接販売について、産直の実務・発送管理について、地域との関わり方について話がもりあがりました。
農家が取り組む産直は、やはりハードルが高い。難しい。そして劇的に忙しさが加速する。学ぶことも広範囲、やることもてんこ盛り。そう簡単なものじゃない、と同じ産直農家なので話は途切れません。
彼が知りたがっていたのは、販売に関して。SNSやYouTubeにどうやって投稿して、どんなことに取り組んでいけばいいのか?私は彼の質問にうちの取り組みを答えていきました。
せっかくだから、一緒にランチへ。haruさんでおいしいパスタを食べながら、どうして農業を始めたのか?などいろいろ聞かせてもらいました。
彼と話していると『農家直販という仕事が大好き』ということがひしひしと伝わってくる。私は、彼のこれまでの経緯に興味を持ち、さらに質問をした。
「ねぇ、今までの人生で『やったーっ!よっしゃ!人生って最幸だー!』っていう瞬間って、どんなときだった?」
20代後半の渡辺さん。おそらく学生時代での成功体験や、会社勤めしていたときに大成果を上げた瞬間とか、そんな答えを予想しながら彼がこたえるのを待った。
渡辺さんは上を見ながら「うーん…」少し考えたあと、ポツポツと語り始めた。
渡辺さん「農業を始めて5年になるのですが、やっぱりの栽培技術を身につけておいしい梨を作るれるようになるって、難しいし時間がかかるじゃないですか」
私「かかる、かかる。僕もメロン30年やっていて未だに気づきと技術革新があるもん…。奥深いよね」
そう答えながら
(あ、彼は産直農家での成功をめざしてるからやっぱり「お客さんが食べて『おいしいっ!』って笑顔になった瞬間」的な答えだな。)
と答えを予測できた。
渡辺さん「それで最高だった瞬間っていうのが、なんというか、梨と心が通じた時、っていうか…」
「どういうこと?」
渡辺さん「果樹って、今年たくさん実をつけたら来年は採れなかったりと波があるんですよ。でも、プロの先輩果樹農家さんは毎年一定量、安定して梨が採れる。っていうんですよね」
「あぁ、ミカンとかでいう表の年と裏の年っていやつ?」
渡辺さん「そうです。樹勢と着果数のバランスを手入れすれば、それが毎年一定量、収穫できるみたいなんですけど、はじめて農業に入って梨を管理してもそれがわからなくて…」
「選定の仕方とか、摘果のやり方とかいろいろあるんでしょ」
渡辺さん「技術ややり方はわかっても、”感覚”。それって結局マニュアルにできないし、先輩農家さんに聞いても“感覚”でしか言えないじゃないですか…」
「わかるー。メロン栽培を勉強しに来る人何人かいるけど、私も『こんな感じ、こんな角度』ぐらいしか言えなくて:笑」
渡辺さん「それが、去年ぐらいから梨の樹を見ていてその『あ、こんな感じだ』って感覚的にわかるようになったんです。樹と実のバランスを見て、全体を見て。
その感覚で栽培管理をしていったら、次の年、今年なんですがラフランスが安定して採れたんです!」
「そうなると品質良くなって、味も良くなるでしょ」
渡辺さん「そうなんです!その『梨を見て感覚的にわかるようになってきた』時に、よっしゃーっ!って。最幸の気分になりました」
「わぁ、それはうれしいね!」
私の推測は外れ、彼は「梨の木が感覚的にわかるようになった」「梨と心が通じた」ことを心から喜んでいる。人生で一番うれしかったことだと答える。
農業の面白さはいろいろあるが、そこに見いだしたか。
こりゃぁ、彼は農業大丈夫だ。産直農家としても成功するな。と安心しながら、彼にもう一つ質問した。
「いい話だー。んでさ、その気持ち、あなたのお客様は知っているの?伝えているの?」
「いえ…」
「それをSNSとかで伝えていこうよ。人生で最高だった瞬間がそれでしょ、その人の育てたラフランス、食べたくなるよ!」
「なるほど、わかりました!やってみます」
簡単にいっちゃえば情報付加価値、とでもいうのだろうか。そんなマーケティング用語とかはどうでもよくって、
・どんな人が、
・どんな在り方、生き方していて
・どんなことに取り組み試行錯誤して
・どんな梨を育てているのか。
・そのことによって、どんなおいしさや喜びを提供できるのか?
日々の投稿を通じて少しずつ自己開示的に伝えていけば、きっとその感情・想いに共感してくれる人が増えていく。
毎日毎日、農業に対する思いを伝えていけば、いつかはお客様に支持される指名買いされる、ファンが多い産直農家になれるハズ。
【この農家さん、この人から買いたい】
そう思われる人間へと自分も成長していきたいし、そうなるべく情報発信とSNS交流を続けていく、と私は取り組んでいます。
「お会いできて良かったです!富良野にまで来てよかったですー」
渡辺さんの帰り際にみせた笑顔を見て、彼はすでに産直農家として成功し始めているように感じました。
#ちなみに寺坂農園は中富良野町です ←富良野地域にかわりはない(笑)。
渡辺さんからこっちがやる気と元気をもらいましたよ。こういうご縁が広がり人生が広がっていくから、読書とSNS・YouTube投稿と出版と産直農家はやめられない。
次の本、3冊目書きたくなってきたなー。あ、それよりそのまえに売れ行き芳しくない2冊目「農家は辛いよ」販促しなくっちゃだ(笑)。
新規就農の渡辺さんがご来園、いい話を聞かせてもらった!というお話でした。
渡辺 貴幸さん おいしいラフランス、みんなで感激していただきましたm(_ _)m ありがとうございます。
では今日も一日、ザグⅡメガサイズプラモデルのサフ塗りに集中しながら、自分と自分の周囲の人がより一層豊かになるよう、自分の能力を発揮します!
北海道・富良野からおいしいメロン・野菜を全国にお届けし、お客様に「おいしいっ」と喜んでほしい』を理念と据え、産地直送に取り組む農業を続けています。