「農業で”手っ取り早く”稼げる方法ってありますか?」

若い農業者からたまに聞かれる質問。ズバリこの本に答えが書いてあります。
おはようございます。今日は仕事納めなのでディスク周りの掃除と1年間増え続けたいろんな物・本を断捨離しまくるぞ!と気合い入りまくりな寺坂祐一です。

やっとこ読み終えた!『東大卒、農家の右腕になる。』
佐川友彦さん著

この農業書はすごい。2020年ピカイチな農業ビジネス書、いや農業実践書まちがいなし、である。
表紙にあるとおり『守りながら変えていく』『課題解決』『小さな経営改善』『農業を変える』がこの本にガッチリ書かれている。惜しげも無くてんこ盛りに書かれています。

んで、冒頭のたまに私が受ける質問

「農業で”手っ取り早く”もうける方法ってありますか?」
について。
質問者は切実である。だいたいは農業を始めて間もない若い青年。しかも新規就農だったりする。
野菜の相場は安く、事業計画立てても無駄レベル。栽培技術を体得しても天候の影響で収穫量も左右される。
日本の農業従事者平均時給190円の世界。物価は上がっても野菜の値段は過去30年間同じままだ。必死に頑張っても、請求書がどんどん送られてきてお金が回らない…。
その辛さ、わかる。
農業は厳しい世界だ。実力がない分頑張っただけ経費や借入が増えたぐらいにして。私も若い頃はとにかく儲からなくてお金がなくて…。
「この平均時給190円といわれる農業で、どうやって農業経営すれば結婚できて子を育てることができるんだろう…」
何年も何年も悩み考えまくった。つらかったなぁ…。だから質問者の気持ち、痛いほどわかる。
なんとかしてあげたいし、アドバイスもしてあげたいのですが、その質問が来ると私はフリーズ。その答えを私はもっていないのだ。
だが、この本『東大卒、農家の右腕になる。』を読んで、ようやく答えが見つかりました。
自分がやってきた農業経営を振り返ってみても、どうやって生き延びてきたのか?振り返ってみても、無理くり一言に要約すると、
【徹底して小さな改善を積み重ねていく】
これを行動実践していくしか、農業で稼げるようになる方法ってない。と、この本を読んで確信にかわった。断言できる。
農業経営は、作物を育てるだけが仕事ではない。
販売、接客、マーケティング、雇用、雇用環境、待遇、ブランド戦略、経営分析、受発注・入金処理管理、総務全般業務、会計知識、税務、求人募集、商品デザイン、作業計画、マニュアル作り、ITスキル、ダイレクトメール制作、ホームページ制作管理、SNSの取り組み等々…
全方位に渡ってバランス良く経営資源と労力を分配し、これらすべての仕事で『小さな改善』を積み重ねていく。
「どうカイゼンすれば…」
本を読み勉強し、脳に汗をかき(農に汗、ではない)アイディアを出して、勇気を持って実践行動に移していく。
行動し、変化が起きるとまた新しい問題・課題が出てくる。そしてまた脳に汗をかいて・・・以下無限ループ。
これしか方法はない。=農業で手っ取り早く稼げる方法はない、です。
(もし知っているかたがいましたら、こっそりメッセージください:笑)。
実際、寺坂農園では農家の産地直送に取り組んで22年目。安定して軌道のったな、って感じるまで18年かかった。
その間はずーっとPDCA回しっぱなし、今も目を皿にして「どこだ?カイゼンできるところは?どうすればもっと良くなるんだ?」スタンスです。
小さなカイゼン・課題可決を積み重ねていけば、農業経営は自然と上昇スパライルに入って気がついたら「農業で稼げる」レベルに達する、というのが私の経験です。

■私が怖がっているのが『ボトルネック』。

例えば、栽培技術を磨き農業経営全般を学び、切磋琢磨していても『雇用』ができなかったらそこで成長がストップする。雇用がボトルネックになって経営が伸びていかなくなるんです。
『雇用』一つとっても記事一本かけるぐらいネタとノウハウがありますし、今なお寺坂農園の課題でもあります。
■この本はバランス良く、農業経営全般に関して実践してきたノウハウ、課題解決方法がガッチリ書かれている。すごい。こんなリアルな農業書ってなかったんじゃないかな。
ずーっと読み進めながら、「あーっ、うちもこの壁にぶつかった」「この課題はこうやって解決したんだ」「この課題、うちは手つかずだな…」
自分速読できるのですが、この本は熟読すべきだな、と時間をかけて過去を振り返りながら、今の課題を考えアクションプランを練りながら読ませていただきました。
私が20代後半の時、この本に出会ったら大歓喜\(^o^)/バイブルを手にしたぜ!ヤッター状態になったわ。
ちなみに、この本を読み進めながら【!!】という気づきが1つあって(具体的に書けくてゴメンなさい)先日すぐに行動実践したら\(^o^)/になりましたーっ。

■ただし1つ覚悟してこの本を読んで欲しい。

読み進めると耳が痛いことだらけ。心にザクザク刺さります。
だって、自分ができていないこと目をそらしていた部分が明確にあぶり出される、そういう本だから。
それだけ佐川さんが取り組んだ経営改善は心に刺さってくる、と覚悟を決めて読んでください。
あと、メモ用紙とボールペン用意ね。
読み進めるとと課題とアイディアがどんど湧き出てくる刺激に満ちた本です。メモの用意を!
「農業で稼ぎたい」そんな熱い情熱を持っている人に読んで欲しい本です。
あ、紹介長くなっちゃった・・・・。
良い本であればあるほど、私は長文になってしまう。実はこの3倍ぐらい書きたいんだけど・・・(笑)。
機会があったら、この本で気づいたことをまた紹介したいです。
では今日も一日、断捨離しまくりモード全開にて、自分と自分の周囲の人がより一層豊かになるよう、自分の能力を発揮します!