「値上げの方法を教えてください」
おっと!これはまた経営の根幹に関わる良い質問きたなっ。こういう本気の質問、いいね。
視察研修を受入の翌日27日は下川町へ講演でGO!
下川町農村活性化センター「おうる」にて、下川町と美深町の若手農業者・新規就農者を対象とした農業塾にて講演させて頂きました。
農家が取り組む、お客様と直接繋がる最強の農業経営をガッチリ全公開でお話ししてきました。
中富良野町も過疎の町だが、下川町と美深町は山間でさらに北海道の北奥深く山間地で、観光産業が地理的に大変そうです。
がっ!
スマホのとSNSの登場で、地理的物理的悪条件がぶっ飛んだ。
地方田舎の方が有利?!かもしれない、というお話しを中心に熱く語って来ました。
私が農業をしているところは中富良野町の水田野菜畑のど真ん中で、お客様が車で走っても迷子になってたどり着けないようなところ立地です。
そんな所でも、メロン直売所と直販通販によるお取り寄せ通販を中心とした農業を続けています。
それは、ネットとスマホとSNSのおかげといっても過言ではありません。
ですので、「美深町、下川町でも、スマホでドンドン情報発信して全国を対象にお客様と繫がる農業できますよ!私はこうやってやってきました」と、語りが熱くなってしまいました。
それでは、最後の質問の時間ででた冒頭の話し。
「値上げの方法を教えてください」について。
同級生という美しい女性農業者の方からの質問でした。
「道の駅で大福を販売したり、切り餅に加工して販売しているのですが…。昔からの古いお客様、親の代からのお客様がたくさんいて…、なかなか値上げできないんですよ…。」
なるほど!その気持ちわかりますー。長いお客様との関係がありますよね…。
「寺坂さんは、最初はメロン2玉で3900円からスタートして何回か値上げしていって今の価格ですよね。どうやって値上げしたらいいのか?教えて欲しいです。」
良い質問ですね。価格設定、めっちゃ大事です。「値決めは経営である」と経営の神様・稲森和夫さんも言っています。
値上げには一つのパラダイムシフトが必要です。
■「値上げは悪いこと」という罪悪感は錯覚である
まず、これを認識すること。そこからスタートです。
テレビ報道などを見ていると、野菜がちょっと値上がりしただけで『野菜が高騰、家計が大変』と、すごくニュースになりますよね。
逆に「安いことは良いこと。得をした」という安売りはよいこと、というイメージもありますよね。
農村地帯、産地で農業しているので周囲はとにかく野菜果物が安いですし、その影響受けるのも分かります。
安売りは大手流通に任せておきましょう。良い食材食料が安く全国にくまなく流通させるのは、国民生活と国家運営に関わる大切な案件です。
んで、小さな産直農家が選ぶ道は高品質高単価。良いものに情報付加価値を乗せた適正価格で販売に徹します。
人は、味覚など5感でおいしさを感じます。
実はそれに加えて『脳でもおいしさを感じる』と言われています。そのワイン、野菜、メロンにまつわる作る人のストーリー、物語と一緒に味わっているのです。
車のフェラーリが100万円ポッキリだと困るのです。歴史とストーリーがてんこ盛り、奥深い技術開発デザイン設計のストーリーがあるからこそ、フェラーリの価値がある。
ルイビトンのバックが1000円でも困ります。歴史とストーリーと伝統が詰まっている一品だからです。
ひょっとしたら…。
近くのスーパーで買った780円のメロンと寺坂農園のメロン産直直販のメロン1玉3150円のメロン。
ひょっとしたら、同じおいしさかも?!知れません。品種が同じで気象条件等々色々重なると、そうかわらないかも知れません。
ですが、寺坂農園のメロンは1玉3150円でもシーズン中は足りないぐらいメロン直売所と通販で売れていきます。ありがたい限りです。
それはやはり、毎日の情報発信、真剣に農業をしながら食と農の情報発信をしているからこそ、それが伝わりメロンの価値が上がっているハズなのです。「このメロンはね、富良野のメロン農家の寺坂さんが…」と語れるお客様なのです。
「私は価値のある、いいモノを買った」
というお客様満足度を高めるためにも、その商品にまつわるストーリーを伝えて欲しい。四季の変化がある農業はネタが尽きません(笑)。
「安売りは良いこと。値上げは悪」
という固定観念を手放してください。
■素直に値上げ理由を伝える
じゃあ、どうやって値上げするの?ですが、率直に理由を伝えるだけです。
寺坂農園でも過去に7回ほどメロンや送料の値上げをしてきましたが、お客様に対しその時の理由、主に外的要因を率直に伝え理解を求めます。
実例を挙げると…
・ビニールなど石油関連資材の高騰により
・人件費が上がったため
・運送料が値上げとなったため
・あたらしくビニールハウス増設で経費が掛かるため
と、素直に理由をお伝えして理解頂いています。値上げのお知らせ文章は
1,値上げの理由を素直に書く
2,このままだと、農業経営継続が厳しいことを伝える。
3,これからも経営努力もしていく気持ちを書く。
4、農業理念、信念を伝え、ビジョン実現へ向けて農業を続けていく意志を伝える
この構成で文章を作り、DMに入れたりHPに掲載したりメルマガ出したりでお伝えしています。
値上げによるクレームなどは、ほとんど無い、といって良いでしょう。あとはお客様の判断。
安いところを見つけスイッチするのか?理解しこれからもお客様であり続けるのか?はお客様の選択権なのでお任せしましょう。
あなたの農業に対する情熱・想いがお客様に伝わっていたら、値上げの影響はお互いにとってプラスに働くでしょう。
この2つ、値上げするときの参考にしてみてくださいね。
寺坂農園では過去に7回ほど値上げをさせて頂きましたが、その影響で『売上げが下がったことは一度もありません』。
お客様離れも起きず、売上げは確実に伸びて経費の支払いもできて給与の支払いもできて順調な経営をさせて頂いています。感謝。
すべてお客様のご理解ご指示頂いてるおかげです。ありがとうございます。絶対もっと美味しいメロンを育てなきゃ!です!気合い入る!
下川町・美深町で育った餅米、カボチャなどの野菜の価値がお客様に伝わり、人気がアップすることをブランド価値が上がっていくことを心から願っています!
約20名の受講生の皆様、ご清聴ありがとうございました。富良野に来ることがありましたら、寺坂農園のメロン直売所にお立ち寄りくださいね-。
今週は講演に視察受入にと濃い一週間でした。ちょっと疲れたので今日はオフ。
のんびり本を読むぞ~。
■LINE公式アカウント5G時代の“神”営業術_菅谷信一さん著
■子は親を救うために「心の病」になる 髙橋和巳さん著
この2冊をのんびり読むんだ~。
あと、午後~カイロプラクティック施術を受けて、背中と首のコリをほぐしてきます。身体のメンテも大事、さむいからねー。楽しみじゃ。
では今日も、自分と自分の周囲の人の幸せを生み続けましょうっ(^^)/
あ、今日は休みだった…。
北海道・富良野からおいしいメロン・野菜を全国にお届けし、お客様に「おいしいっ」と喜んでほしい』を理念と据え、産地直送に取り組む農業を続けています。