毎日、この子達のことが心配で心配で…。

 

寺坂祐一です。

自分、ビビりなので…。一日に何回も見回りに行って生育を状態を観察し、ハラハラ・ドキドキしている私です。

収穫開始まであと5日。
北海道・青肉メロン、寺坂農園では『オルフェ』という“極”良食味品種を育てています。

そしてこのメロンは、当農園メロン畑内併設の富良野メロン直売所と、当農園のお客様へ通販限定で全国へお届けしています。

先日、この写真メロンとは別に一足早く、8月中旬に赤肉メロンハウスの角っこに8玉だけ育て収穫したオルフェメロンを、食レポ!と称して食べてみたんですけど…。

 

脳みそ直撃のおいしさでした。


あ、もろ官能的な、おいしさ。
食べた瞬間、快感ホルモンが脳内でドバーッと放出されます。そんな“極”良食味なメロンです。

今度、その食レポ動画をアップしますね。

そんな完成された“極”良食味品種の青肉メロン品種『オルフェ』。

富良野メロン生産者の一人として微力ながらも、ブランド価値を高めファンの創造に努めるべく、赤肉メロンだけではないこの『おいしい感動』を育て、評価・評判を高め、人気のメロンに育てていくんだっ!と、孤軍奮闘ながら一人でガッツリ気合い入っています。

なんか、お盆期間が過ぎて秋めいてきて、メロンが忘れられそうな空気感ですが…。

寺坂農園には残りメロンハウス3棟。約2500玉のオルフェメロンが収穫までカントダウン開始となっています。

でね、こいつが胃が痛いのよ…。
すでに2100玉ほどの通販で予約注文をお受けしています。そのプレッシャーは私の責任感とメロン職人魂を刺激していいのだけど…。

実は、メロンの樹がヨレヨレのヘロヘロなんです。写真は曇りで涼しいときに撮影しているから、元気に見えますが、日差しが出ると、クタァ~って。萎れた姿は見るに堪えられません。

まず、9月に収穫するという遅れさせた栽培時期、メロンの抑制栽培っていうんだけど、これが技術的に難しい。

普通、富良野メロンは7月の贈答用・お中元用のギフト需要に合わせ、あと、おいしく育つ旬の季節でもある7月中旬~8月上旬に収穫出来るように3月に種を播き、4月に苗を植えてメロンを育てていきます(促成栽培)。

まだ雪のある寒い季節から、おいしい甘いメロンが収穫しやすい7月の暖かい季節に向かってメロンを育てるのが通常です。自分、このスキルは持っている。経験豊富です。

 

ところが…。
9月収穫の抑制栽培は逆なんです。


暖かくなってきた5月に種を播き、季候の良い6月に苗を植え、開花~肥大~ネット形成期プロセス、生育期間中は暑くストレスの多い7~8月を乗り越え、涼しくなる9月に収穫するという…。

春→旬の夏に向かうのではなく、暑さ→寒い季節に向かうという真逆の栽培環境条件。

普段の促成栽培とは違う、メロン栽培技術が求められます。どう違うの?って、説明始めたらさらに3000文字ぐらい書けそうなので、ザックリと説明すると

・まず前提として、だいたい“良食味品種”=おいしい品種は、病気に弱く(おいしいがゆえに)虫がもっさり押し寄せてきて、ついでに根の力が弱い。

・夏、暑い時期に、メロン肥大期を迎えるので、デッカいメロンが収穫出来るけど…=収穫後半にメロンの草勢がバテて品質低下の可能性が。

・夏、暑い時期を乗り越えるため害虫ハンパない。7月はハダニ祭り。8月はアブラムシ乱舞会でした。油断するとお盆過ぎにはイモムシ君系がメロンをガジガジ食べまくります。

・夏、暑く湿度ある時期で生育するので、病気の発生量も通常の3倍。耕種的防除は基本を徹底し、よーくメロンを観察して病害発生状況をみて適切な薬剤散布しないと、壊滅路線まっしぐら。

・夏の強い日差しから、強日照ストレスからメロンを守る為に、適時、遮光管理を、日照ストレス管理を継続…。

あ、マニアックなことを書いてしまった。お付き合いありがとうございます。

もうちょっと野性味のある強いメロン品種を育てれば、楽にいくんだけど…、うちは産地直送農家。メロン果実のおいしさ重視、最重視です。

まぁ、なんだかんだで、収穫5日前までやってきた、今朝試し割りすると、糖度はすでに15.5度。収穫時には17度ぐらいで甘いメロンに仕上がりそうです。

ですがですが…。
メロンがデカい!!3Lサイズ(スーパー超特大サイズ)ゴロゴロ。デカくなりすぎたー!

これ、届いたらすんごいうれしいと思うけど…。

メロン生産者としては、ドキドキもの。メロンがデッカいので、メロンの樹(つる・葉・根)への負担も大きいのだ。

現在、この青肉メロンオルフェは糖度上昇期。
メロンは全力を挙げて子育てモード。光合成で生み出された同化養分や糖を、ドンドン果実に転流させているステージ。

だから…。メロンの樹がヨレヨレのヘロヘロなんです。ちょっと強い日差しが出たりしたら、クタァ~って萎れ、私は一気に青ざめます。

そうなったらスタッフみんなで、遮光ネット掛け作業3棟GO!。夕方、日差しが弱くなったら遮光ネットを下ろす…を、繰り返してます。すんごーい手間掛けてます。

栄養剤を葉面散布すればいいのだけど、この生育後半にあまり窒素の効いた栄養剤を掛けると、食味に悪影響が出るので、ミネラル系とかカルシウムとか有効菌系の葉面散布でエネルギーチャージするぐらいに。

【状況としては、人間・家族にに例えると…。】
お父さんとお母さんは元気。だけど、デッカい高校3年生が4人(4つ子で同い年)卒業&大学進学の時期。子供達4人は見た目も良いが、体格も良くて大食漢。食べる食べる。じいちゃんばあちゃんは他界しており応援はない。働いても稼いでも、子供になにもかも流れていくので親は弱っていき、病気がち。外で働いていても強い日照りだとすぐ熱中症になる…。

↑こんな状態です。つたわるかな?

あと5~10日ほど。
私の持ちうるメロン栽培技術を全投入して、最高においしいメロン・しかも超デカいオルフェメロンを収穫し、全国発送ミッション、やり遂げます。

あぁ…。毎日、ドキドキする!
この緊張感。メロンと天気予報をしょっちゅう見ながら農民だけが味わえる独特の緊張感、結構好きです(どMか?)

長文お付き合いありがとうございました。感謝、感謝です。

さぁ、今日は雨模様ですが、スイートコーン(トウキビ)の白い【雪の妖精】収穫・発送開始です。やんぞーっ。