『除草剤事件の逆境体験から、今でも学べることがある。どうして誤解はうまれるのか?考察してみた。』

先週の水曜日は、連チャンの札幌出張。道庁別館にて『いしかりアグリフォーラム』にて講演でした。
4Hクラブのプロジェクト発表大会ですね。



190万人都市札幌周辺の江別市、当別町、千歳市、恵庭市の若い農業者50名+行政関係者が集まってのフォーラムでした。

大都市周辺の農家さんは、スーパーやバイヤーさんなど取引先も多く、個人のお客様にも距離が近いので、商売感覚を身につけている農家さんがほとんど。

中富良野町の水田地帯の真ん中で農業をしている私から見ると、うらやましい限りの立地、好条件に見えます。
実際のところは、販売競争が激しくて大変なのでしょうが…。

いつもの『農業+ダイレクト・マーケティングを取り入れた直販・通販』の取り組みを1時間半、お話しさせていただきましたが、みなさんすごく真剣に聞いてくださり、とても話しやすかったです。

質問の時間も10分ほどあったのですが、ドンドン質問が出て「さすが、大都市近郊農家!販売意識が高い!」って感動していました。

で、数々の質問の中から、次のような質問が出ました。

「寺坂農園さんは除草剤を撒かれた被害にあったじゃないですか。地域の人に…。まぁ、そうと決まったわけではないのですが…。除草剤をまかれてしまったという失敗したと思うんです。この失敗から何を学びましたか?」

正直、ちょっと血の気が引きましたね。

おいおい、この場でそんなこと聞くかよ。しかも、地域の人が真犯人かもしれない前提?って、なんだよ…。

私は講演前に「除草剤事件の件には触れないで欲しい。気分が悪くなるので…」って伝えています。理由は、真犯人がまだ誰かわからないので、全て仮説でしか話せないからです。そこに、犯罪行為に寺坂農園にも責任があるみたいな事で質問されると、私も人間なので気分が悪くなります。

私は『怒りが後から湧いてくるタイプ』。
怒りの沸点はおおよそ6時間後にやってきます(笑)。わかる人にはわかってもらえると思います。

その質問を受けたときショックでしたが、私も講師の立場。動揺を隠し(バレてると思うが…)冷静を装いながらも、こう答えました。

「失敗…、ですか…。」
「まず、これだけははっきり言えるのですが、地域の方が犯人のハズはありません。みんないい人ばかりですし、農産物を育てている農業者がやすやすと出来る犯行ではないからです。これは自信を持って言えます」

「失敗したとすれば…。全自動換気装置を深夜にイタズラされることが2回あったときに、人間性善説でスタッフの作業ミス、と判断したことが悔やまれます」

「性悪説で、外部からの侵入だと判断していれば、対応できて防げたかも、と悔やまれます」

「この失敗からの対応は、防犯カメラの設置です」

この答えに、会場も納得した雰囲気。
次の質問になって、その場はまとまりました。

講演会が終わり、夜には懇親会がスタート。
その時にその質問者が、私の席にお酌に来られました。農業経営的な質問やその人の課題を聞いているうちに…。

「君か?除草剤事件の質問をした人のは?」

「そうです!あの場でああいう質問をしていけないとは思ったのですが、冒頭でも触れないで欲しいと寺坂さん言っていましたが…」

「私達のクラブでは『失敗から学ぶ』ことを重視しています。成功話を聞いたって何も学べないからです」

「私達の勉強会でも正直『寺坂さんは恨まれているよね』っていう声が上がっているんです。だからあえて、除草剤事件という失敗からどのようにされたのかを質問しました」

はぁ…。なんつーデリカシーのないヤツなんだ…。楽しい懇親会でも除草剤事件の話かよ。しかも恨まれてるって、なんだよ…。

「いや、妬まれることはあっても、恨まれることはしていないですよ」

って答えましたが、気分の悪い懇親会となりました。

ホテルに戻り、色々と考えましたが、憤りを感じるばかり。

なぜだろう…。その晩はなかなか眠れず、一晩と考えてみました。
で、気になった2点について。

■『寺坂農園は失敗していない』

そもそも、寺坂農園は失敗していないのです。

寺坂農園は、犯罪被害によって逆境は体験しました。

農薬散布という犯罪行為は、犯人が勝手に考えて勝手に行ったことです。どんな理由があろうとも、寺坂農園の立場からは、それが事実なのです。失敗と評価する基準がどこにもないのです。

そうされる何か理由があると考える人はたくさんいると思いますが、それは、そう考える人のそれぞれの考えなのであって、事実とは関係ありません。

除草剤事件に遭いましたが、全国から溢れんばかりの善意による義援金・お見舞い金が寄せられ、クラウドファンディングを行い、理解者の支援を受けて、美味しいメロンを買っていただいて、犯罪被害による経済的損失の経営回復も実現しました。

失敗でも成功でもなく、辛い思いは沢山しましたが、逆境から抜け出した。ただ、それだけの事なのです。

これが事実で全てなので、相手が一方的にしてくる犯罪行為。これを失敗と捉えても、そこからは何も学べないと思います。自分では何も失敗するようなことはしていないので、唯一、学べることは講演会でもお伝えしたように、『予め防犯設備を整えておくということ』ぐらいです。

一方、突然、隕石が落ちてきたような、自分ではどうすることも出来ない、外からやってくる問題によって、陥ってしまう逆境体験としては、沢山の学びがありました。

それは、また講演会で質問して頂ければ、お伝えしていきたいと思います。

但し、質問の仕方を間違えないでくださいね。

「失敗から何を学びましたか?」ではなく、寺坂農園は失敗していないので「今回の逆境体験から何を学びましたか?」と的確な質問をお願いします。

■「寺坂農園が恨まれている」って本当?

私が農業をしている地域は犯罪の極めて少ない平和な農村地帯。農産物泥棒もほぼいないし、周囲はいい人ばかりで安心して農業ができる地域です。
当農園は直販・通販に取り組んでいるので、周囲とちょっと違う農業経営なだけで、迷惑はかかっていないはずなのです。

もちろん、意図に反して地域にご迷惑かけることがまれにありますが、その場合は早急に誠意を持って対応するようにも心がけています。

農村地域では結果的に目立つので、もし周囲から『妬み』の感情があったとしても、そこから『恨み』の感情まで昇華するとは思えません。利害関係がほとんどないからです。

私自身の感覚としては、これまで農家の直販に20年間まっすぐ取り組んでいるので、周囲にこのやり方は受け入れられているように感じています。

そもそも、私は「寺坂農園を恨んでいる」人を知りません。会ったこともありません。

私の経験からすると、「寺坂農園が恨まれている」という人は、寺坂農園に来たこともなければ、私寺坂祐一と直接会ったことや話したことがない人です。

お会いしたことがないので、情報だけで想像されて誤解しているのではないでしょうか。実際、先日の札幌の講演会でお会いした人も、初対面の方でした。

講演に参加してくれたり、寺坂農園に来てみたり、実際にお会いしてお話ししている方の中で、「恨まれている」と言っている人は知りません。

やはり、お互いにお話しした事がないので、想像だけで誤解がうまれたり、想像が膨らみ、妄想レベルになっているだけだと思うのです。

誤解を解消するためには、「実際に相手と話をする」しか方法はないですよね。これも今回の逆境体験での学びです。

この二点について。
その質問者(若い男性)から名刺をもらっていたので翌日ホテルから電話し、自分のこの考えを伝えました。
その方に納得してもらえたようで、よかったです。

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以上、今回の講演で考えたことを書いてみました。あなたの人生に少しでもお役に立てたら幸いです。

石狩地域の4Hクラブの皆様、講師としてお声がけ頂きありがとうございました!
あなたの町の4Hクラブからも講演のご依頼、お待ちしています(^^)

20年間積み重ねてきた経験から、直販・通販に取り組む農業の具体的手法、魅力、やりがいをガッツリお伝えします。
農業をもっとおもしろく、稼げる志事に革新していくのだ!

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