「直販をしたいんですけど、ほら…、部落とか生産部会の取り決めルールがあって個人販売は禁止だし、看板すら上げちゃダメじゃないですか…。」

 
私「あぁ…、昔はあったね!」
 
「いえ…、今でもこちらの地域ではそうでして…。こういった場合、どうやって直販に取り組んでいったらいいでしょうか?」
 
先日、Zoomにて講演させて頂いた「6次産業化人材育成研修会」の一コマ「SNSによる情報発信やインターネットビジネス」で2時間ほど熱く産直農家の実践を語らせて頂きました。
 
その最後、質問タイムで女性農業者の方、地方のメロン農家経営している方から出た『難問』が冒頭の相談でした。
 
 
おはようございます。ディスク横のメダカ水槽内で無限増殖しているタニシでしたが、妻がスポイト使って吸い取り、隣の金魚水槽に「餌」として投入する『逐次漸減タニシ駆逐作戦』にハマってしまい、無数にいたタニシが3日でほぼ壊滅状態に。
 
ディスク横の水槽内が“メダカだけ”になって、なんだか寂しさを感じてる寺坂祐一です。
 
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んで、冒頭の質問のお話。

 
この質問、全国で講演して歩いていますが大都周辺以外、地方で公演するとかならず出る質問です。
 
それだけ地方田舎で直販を始めるにあたって大きなテーマであり、『同調圧力の壁にぶつかる』いう現実です。
 
話を聞いてみると、その女性は「メロンを出荷しても安くて厳しく、すこしずつ直販・通販をやっていきたい」とのこと。
 
※実際の会話と若干違いますが、そのやりとりを再現します。
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私:「始めればいいじゃないですか?」
 
「いえ…でもぉ…、メロン部会でのルールで『個販は絶対にダメ』って決まっていると旦那とお父さんが言いますし…」
 
私:「えっ、ホントに?昔はこちらでもあったけど、今は令和2年だよ?まさか明文化されているの?」
 
「いや…、そこまでは確認していませんが、なんか昔からのルールというか伝統というか…。」
 
私:「でしょ。農協さんはそんなことしないし、今なら独占禁止法に触れちゃうもんね。」
 
「ですけど…、部会というか部落で…、個人販売、直売もダメで、看板とかも軒先に上げちゃいけない決まりなんです」
 
私:「ホントにそんなルールあるの?」(どこの国の話だ?!)「そういう空気・雰囲気っていう感じじゃない?」
 
「確かに…、決まりというか、昔からの流れ、というか…。そういう空気感なんです」
 
「相互監視社会ですもんねー。田舎あるある、かぁ…」
 
私がどのような思いで20年前に決断し、メロン直売所のオープンと直販・通販の道を進んできたのか?は、自著「農家はつらいよ」に書いたので興味のある方は読んで欲しい。
 
この質問に、私は困った。そこで提案をしてみた。
 
私「じゃぁ、『このハウスは直販用にメロンを育てます。品種は指定とは違うメロンです』って周囲に宣言しちゃったら?」
 
「でもぉ…、全量出荷で団結して…って決まっていますし…」
 
私:「だから宣言してみると。『親戚とか友人から頼まれるので、どうしても直販分のメロンが必要なんですよねー』って。」
 
「うーん、それでも…お父さんがイヤな顔しそうですし…」
 
私:「じゃぁ、webやSNSでわからないように静かに販売してみたら?」
 
「宅配便トラックが集荷に来たらみんなが見ているし、ネットとかに情報上げても、見ているのは周囲の農家さんだし…」
 
私:「そうだった。そうそう、農家がSNSとかYouTubeアップしても、一番見ているのはお客様ではなく近隣農家さんだもんね:笑」
 
「そうなんですよ。すぐに回りの農家さんからツッコミはいるし…。一体どうしたら・・・・」
 
もう、わからん!
正に、八方塞がり!
ゴメン、お手上げ!
 
部落社会、生産部会ルール、団結と協同、相互間社会・・・わかる。私も十二分に味わった世界だ。
 
おかげさまで今では(責任が伴う)自由にやらせてもらって充実したメロン直販農家を経営していますが、やっぱり直販開始から周囲があきらめるまで、10年以上かかったな…。
 

自分の体験からですが、

出る杭は打たれる→出すぎた杭は打たれない→突出した杭→根本か折れて低迷期3年→再び『突出した杭には人が集まってくる』まで歩んできたような感覚がある。
 
講演後、このこたえられなかった質問にずーっと考えていたんです。どーしたもんかなー。自分はどーやって乗り越えたかなーって。
 
質問は「直販をやりたい」ですけど、質問の本質はきっとこうだ。
 
その彼女は『出る杭』に『周囲からの無言の圧力があり』周囲が怖くてなれない。どうしたらいいでしょうか?
 

この質問だと、3つの答えがあります。

 

■嫌われる勇気を持つ
 →八方美人だって嫌われるんです。お客様から好かれる分だけ一方では嫌われる現実を受け入れる勇気を持つこと。
 
■信念を持つこと
 →どのような農業経営をして社会に貢献し続けて行くのか?そのビジョンと使命を明確にすることによって、決断する勇気と継続していく力が生まれます。
 
■逆に、直販なんて批判を浴びる様なことをしないで
「郷に入れば郷に従え」精神で平穏に人生を生きる、と決めるのも正解。というか王道です。
 
その農業を営んでいる地域によって、部落社会のルール、地域の暗黙のルールがあります。
 
それを破ってやりたいことを始める、ということは地域の輪を乱す反逆者に、スケープゴートとなりエライ目にあうのは明らかです。
 
ファーストペンギンは未知なる世界へ傷だらけになってもジャンプする勇気と信念がなければ、事を成し遂げることは出来ません。
 
「儲かりそうだから」中途半端に直販・通販を始めるのはオススメできないです。
 
※大都市周辺の農家の場合は、上記の話はあてはまらないです。やったぶんが結果出る、自由と責任が伴った世界だと思っています。
 
私の体験ですが、でもでも、やっぱりお客様と直接つながるメロン産直農家はやりがいに満ちている。
 
売上げも利益も安定し充実した経営スタイル、多くの人に知って欲しいです。
地方での挑戦者、増えて欲しいと思って1冊目の本『直販・通販で稼ぐ!年商1億円農家』という本を5年前に出版したぐらいです。
 

■あなたの人生を邪魔している人は誰一人いないのです。

 
結論ですが、地方メロン農家をしている彼女は「周囲が」と言って地域社会を見て躊躇しているんですが、実は自分と戦っているんじゃないかな。
 
周囲の農家さんを意識して「周囲を怖がっている自分」と「本当の自分の声」とが心の中でぶつかり合い戦っている、たいへん苦しい心の状態だとおもいます。
 
生きるには、怖がることも大切だし、自分の本心を聞いてあげることも大切。
 
引き裂かれるような2つの思い、上手に自分の気持ちを統合できたらいいな、って願っています。
 
※写真は11月5日 #中富良野町 #北星山展望台 にて撮影。
 
この写真のように、紅葉したカラマツのように集まり密集し美しさを発揮するのもよし、森を抜け出し一人で奥の山の頂を極めるのもよし、どちらもすばらしい人生に出来ます。
 
選択は、あなたの自由です。
 

■私自身は、自分のライバルは昨日までの自分。

今の農業経営だと、競争、競合、戦いの気持ち・概念はまったくありません。純粋に自分の成長とより一層の幸福の追求に生きています。楽しいです!
 
もっと成長できる。
もっと幸せになれる。
まだまだ良くなる!
 
47才のメロンおじさんになっても挑戦・失敗し成長しながら生きていきます。
 
長文お付き合いありがとうございましたm(_ _)m そして「6次産業化人材育成研修会」参加者の皆様、主催・関係者の皆様ありがとうございました!
 
では今日も一日、ディスク横メダカちゃんに癒やされながら、自分と自分の周囲の人がより一層豊かになるよう、自分の能力を発揮します!(^^)/