親の生き方が、子を苦しめている。
今書いている2冊目の本の参考資料になるかな…と思って、タイトル見てピンときて購入。
すっげータイトル。
そのままの内容、数々の家族カウンセリングを通じて精神科医である著者が解き明かす「親と子」の真実は驚きの連続。
鳥肌立ちながら、読み進めました。
この心の病…に苦悩する親、もしくはクライアント自身の心の病を入り口に、親子の中でどんな『必要の無い思い込み』が形成され役割を演じているうちに自分が乖離していくのか…。
そして、その回復から統合、自己受容まで物語風に語られるプロセスは、鳥肌もの。どんどん読み込んじゃう。
■第一章は『息子は親を助けるために引きこもった』。
親の心の矛盾が大きいと、それを子供は取り込む。その抱え込んだ矛盾は、思春期に爆発する。
怖いでしょ…。反抗期の激しさは、親が教えた「心の矛盾」に比例する。わわわ…。
うちもまだ10才の娘がいるので、あと2年ほどで学童期→思春期に突入。
母親と息子で『不登校、引きこもり、家庭内暴力』のケースと、父親と息子の関係で社会に出た息子が『家事手伝い』のうつ状態引きこもりになったケースの2つ。
親の心矛盾って…。母親の影響力すごい、が、父親と母親、夫婦の心の矛盾も子は取り込む。
責任重大である。あ、それは自分(親自身)に対して自己理解できるかがポイントだ。
子は親の苦しみを知っている。
■第二章は『娘の摂食障害が、母親の人生を回復させた』。
娘が摂食障害になってカウンセリングをうけ、娘が直ったら今度は母親がうつ病になったというケース。
母親がいままで、そして今もどう生きてきたのか?それに気づいて手放したとき、家族はどう変化していくのか?
とても読み応えあり、自分自身の親としての在り方を振り返ざるえいない内容だ。
■第三章『虐待されて育った子は「善と悪が逆」になっている』
この章ももすごい。
親が虐待(しつけ?)されて大人になり家族を持ち子育てが始まると、なぜ親は子を叩くのか?叩かざるえないのか?
140p~引用
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「普通の」こは、欲求を満たして、自分の存在を確認する。
虐待を受けた子は、欲求を我慢して、自分の存在を確認する。
そして、逆転した存在感は、異なる心理システムを作り出す。
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我慢すること。我慢して自分の存在を認めてもらおうと頑張るけなげな子供。親になったときに…。
「善と悪が逆」になった心理システムが社会に出たときのどんな大人になるのか?自分に向き合ったときに何を感じるのか?すごく深い。
親は子に救われる。
善を抑圧して悪に耐えて生きる、その生き方をゆっくり手放していく。
涙もののカウンセリングプロセスである。
ほんと、この章は泣ける。
■第四章『親との繋がりを持てなかった子の不思議な訴え』
「分かって欲しい」---それは子供の一番の願いだ。168p
なぜか、うまく生きていけない…。
孤独感、孤立感、生きづらさを感じながら社会で苦悩する女性と男性2事例のものがたり。
なぜ?人との関わりがうまくいかなくて、浮いた存在になってしまうのか?その“なんか”をカウンセリングプロセスの中で紐解いていくストーリー。
「社会的な存在感」は何によって生み出されているのか?それはどこから来るのか?
ぜひこの4章を読んで欲しい。
自分が渇望している、人生に求めている4つを理解することが出来ます。
■心の発達段階の最後「宇宙期」とはなにか
心の発達は、乳幼児期→学童期→思春期→成人期の4段階だが、そのさきに「宇宙期」があると著者は唱える。
この話、30代以上の人に響く心の解説。キーワードは3つ。「アウトサイダー」「中年クライシス」『勝ちの相対化』。
自分、ばっちり「アウトサイダー」だし、年齢的に死がみえてきた中年だし、白黒判定しがちな人間なのでビビッときました。
まあ、アウトサイダーも今では紹介してフリーライダーですが。縛られてなく最幸ありがたいです。
236p~引用『…その飛び出す苦しみと引き換えに彼は、「普通の」人々にはない自由を得たのだ。』
ぐっはーっ。著者の高橋さん、私のこと見てたの?ってい感じ…(汗)。
「この世界」から離れ、「宇宙期」へと至る。この最終章はおもしく人生を俯瞰できる。人生の宇宙期とはどんな感覚で、どうすれば到達できるのか?
実例を挙げながらわかりやすく解説されています。
「この人生はいったい何なのだろう。自分は誰なのか、どこから来て、どこにいくんだろうか」242p
自分、中年になっても中二病みたいです。
ぜひ、この本を読んで自分の人生を振り返り、自分の内側にどんな『我慢』と『願い』がるのかを、気づいてあげませんか?
子は母親から心理システムを学ぶ 16p~
世界中のお父さんお母さんに読んで欲しい一冊です。
☆☆☆☆☆星5つ!
寺坂祐一選書(笑)2019年ベストワン決定!!!蔵書。繰り返し読む人生教科書だ。
高橋和巳さんの本もっと読みたいけど積ん読がいっぱい。人生暇無しで、ご充実様ですっ。
2020年は、寺坂農園も宇宙期へ突入じゃっ!(笑)
北海道・富良野からおいしいメロン・野菜を全国にお届けし、お客様に「おいしいっ」と喜んでほしい』を理念と据え、産地直送に取り組む農業を続けています。