最高のメロンが育つ!畑を目指して。

寺坂祐一です。
メロンが終わった秋。畑へのお礼の気持ちを込めて、牛ふん堆肥を散布し土作りです。

メロン栽培が終わったから、可能な限り緑肥としてエン麦種まきをして育て、10月上旬までには畑に耕し込んで土作りをしています。

10月に入ると北海道・富良野は霜が降るぐらい冷え込んでくるの地温も上がらなくなります。

作業が遅れ、この寒い(土が冷たい)状態だと微生物の活動が低下し、有機物が未分解のまま雪の下→春と季節が進んだ場合…。

メロンを植えて地温が上がると微生物分解が急に活性化し、アンモニアガスや亜硝酸ガスが土中から発生し、植えたメロンが根痛みすることがります。

これを防ぐには、秋の礼肥、堆肥散布、緑肥のすき込みは、できればまだ暖かい9月いっぱいで終わらすのが理想です。

過去には、この9月末に雨が続いたりして、作業が遅れ10月にメロン畑にはいり、土壌水分が多い状態で無理してトラクターを入れ耕したりして…。

すると、見事に翌春、メロンを植えると根痛みし、初期生育が手こずります。繊細です、メロン。土は本当に“土そのものが生き物”に感じます。

土って、なんか、人間の腸に似ているかも。
人間の腸にも100兆個?の細菌が住んで腸内フローラを形成し、人間の消化を手助けしてくれて共生しているんだよね。

肉ばっかり食べたらガスが湧いて気分悪くなるし、野菜だけでも元気でなかったり…。

土も1gの土に1億の菌がいる。って言われていますよね。各種有機物(植物残渣、緑肥、米ぬかとか魚カス、堆肥)などを耕し込んだら、各種菌類・細菌類・小動物などが分解し、植物の根が吸える形にまで分解し、供給している。

人間の腸も、腸内細菌が食物繊維などを分解しながら様々な物質を生成し、その代謝物質が腸壁から吸収されて私達人間の健康を支えてくれています。

 

うーん、似てるなぁ…。土と腸。


神秘的な世界だ…。片寄らず多様性があってバランスのとれた健康な状態が、最高なパフォーマンスを発揮するし。

うんで、今年の秋は有機物の施用の材料・手段を変えたんだ。

よりおいしいメロン作りを極めようと、いろんな農家さんの話や指導者さんの考えを聞き、最近はまた数冊の農業技術書を読んで、過去の体験と照らし合わせながら考察し、今年の秋の土作りは【牛糞+バークの半熟堆肥(牛ふん半熟堆肥)】に決めた。

去年までは、甘くなると言われている米ぬかと、味に深みが出ておいしくなるといわれる魚カスを中心に秋肥(礼肥)を散布。エン麦と一緒に耕し込んでいました。

今年、“よりよい土作り法は?とチャレンジするのが、牛ふん半熟堆肥の施用だ。

理由は、農業コンサルタントの 潮田 武彦 (Takehiko Ushioda)さん の指導であったこと。

それと、今読んでいる本 新井俊春さん著 『名人農家が教える有機栽培の技術』に牛ふん半熟堆肥について記載があったからだ。

この2人の影響を受け、早速、地元の肉牛生産牧場さんに電話を入れ、直接その堆肥を自分の目で見に行った。

見せてもらった堆肥は焦げ茶色で、中のほうは50度ほどの高温で猛烈に発酵していて、モワッ!と湯気が上がり続け、すごい生命エネルギーを感じた。

堆肥の表面は、焦げ茶色になった堆肥の塊の表面が白く粉を吹いたようになっていて、放線菌がたくさん繁殖しているように見える。

これは、『牛ふん堆肥をまく』どころではない。『好気性菌活性ピークの塊を畑にまく』ということだと直感した…。

完熟堆肥が一番いい、とは聞きますが、『完熟堆肥は死んだ堆肥で肥料分しか期待できない』という考えもある。

半熟堆肥を批判する人もいますが、私は半熟堆肥派。ここは微生物活性の高さに注目したい。

 

土作りの目的の一つが、土の中の微生物性の多様性を維持することだから。

 

また、半熟堆肥だと土に入れてからも微生物分解が続くので、微生物からでる有機物や粘着物質によって団粒構造の発達も期待できる。

また、まだ気温の高い秋の9月中に堆肥をまいて、耕しすき込むことによって、来春のがガス害の心配も無くなるだろう。

理想は『牛ふん+麦わら堆肥』だと思うのだが、牛ふん+バークも一長一短ありで…物理性改善効果あるし、悩むところだ。炭素率高いし分解が遅いバーク(樹皮)が、どう作用してくるのか?これから注目だ。

施用量は10a当たり1トン~2トン。でも、新井さんの本を読んだら「多かったかな…」と思考中。メロンの多肥栽培は食味を落とす。

来年は、春の肥料を少し減らして、メロンの生育を見ていこう。来年の秋の牛ふん堆肥散布量は10a当たり0.7トン~1トンに押さえて、畑の生育を見ながら調整していく。

 

堆肥の散布の実際の作業も、どうやるか悩んだ。

スコップ手作業で散布できるレベルではない。

31棟もある長いハウスに、どうやって堆肥を散布するか?マニアスブレッダという堆肥まき専門の農機を購入するか?迷った悩んだ迷った…。

が、所有していた
有機質肥料散布用のコンポスプレッダで、堆肥を(詰まりながらも)なんとか散布できるよう調整できた!

どうやって堆肥を積み込むか?も、1日7000円のタイヤショベルを借りて解決。でも、5日も借りてしもーた…。

5日間かかったビックイベント。31棟のメロンハウスすべてに半熟牛ふん堆肥散布が終わり、半分まで耕し込みました。ふぅ。一安心。

残りは7棟、エン麦をギリギリまで伸ばしてから耕し込みます。次の台風前の10月3日か。

片付けが遅れた7棟分のメロンハウスは堆肥をまいて、それに寒さに強いライ麦を種まきして緑肥とし、さーっと耕してあります。11月になってもグングン伸びる緑肥です。

甘い、よりおいしいメロン作りを目指して。秋の土作り作業のお話でした。マニアックでしょー。

こういう技術的なこと書いたら、陰口悪口言う人が多いのはわかっている。こんな記事書かずに、黙っていればいいのも知っている。

けれど、うちのメロンを食べて『おいしい幸せ時間』を楽しんでくれている、大切な大切なお客様に、伝えたい農の取り組みなのです。

農と食の情報発信、自分、農チューバーですからね。富良野メロンブランドの人気アップのためにもやり続けます。

ただ、堆肥をまいている。土作っている、だけじゃなくて。

もっともっと生命は神秘に溢れていて、地球の表面の土という生き物は生命力溢れていて、おもしろい!という私の気持ちが、あなたに伝わると、うれしいです。

まだまだ、自分は土について肥料について勉強不足。実践不足。これからもいろんな人から教えを受けながら、プロの農業者としてアップデートし続けて行きます。

さぁ、来年の2020年富良野メロン栽培と産地直送。今から育てるのが楽しみすぎます!

初期生育、どんな違いが出るかな…?後半、メロンの樹はどのように経過するかな…。

『日本一おいしいメロンだ!』と言われる直販メロン農家になる。この道のりは冒険に満ちています。