私も農業を知らない。

正確には「私も日本農業全体のこと、まったく知らなかった…」と率直に痛感した一冊。



【誰も農業を知らない2】有坪民雄さん著

世界~日本農業の全体像、今、農業界で何が起きているのか?知りたい方は絶対読みましょう。

おはようございます。来年に向けての発酵肥料ボカシ肥を作り始めたので、これから1週間は全身かぐわしい香りに包まれているメロンおじさん寺坂祐一です。

■そうなんだ!知らなかったーっ!
だらけでした😅
本当に知らない自分でした。

自分、農業を32年もやっていたのですが、直販農家を極めるべく邁進してきたので…。

農業政策と農業経済とか、交付金とか土壌保全とかSDGsとか温暖化とか持続可能性とか・・・。ほとんど考えていないくち🥹(それでガクチョーが務まるのかっ)

そんな自分だからこそ!この本は勉強になりました。知識欲満たされまくりで「へぇ~っ!そうなんだ!」の連続でございました。

帯に書かれている
「食糧自給率は当面低いままでいいんです」にはビックリ!しますね。

@有坪民雄さんによる各項目ごとで問題提起と分析、解決策の提案にはほんと頭が下がります。

紹介したい、話したいところはいっぱいあるんだけど、各章目だけでも興味深いので記載しておきますね。

第一章:農業の危機
第2章:SDGsと食料安全保障
第3章:どこまで可能か?温室効果ガス削減
第4章:勇気横行25%目標は達成できるか?
第5章:農家の持続可能性

この本1冊読むだけで、今の日本農業で起きている事が幅広く学ぶことが出来ます。

そして自身の経営と照らし合わせながら、これからの経営を考えざるおえなくなる1冊です。

僕が一番ビックリしたところは、39pからの引用
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「欧州全体が大規模化し、それぞれの国がそれぞれ強い農産物を持ち共存していく・・・そうなると農産物価格も下がって国民は豊かになり、欧州外からの輸入もなくてもやっていける」
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デヴィット・リカードという経済学者が考えた比較優位という考え方のお話し。

この部分の「そうなると農産物価格も下がって国民は豊かになり」にビックリしたんだ。

自分は農業者の立場なので、農産物価格が下がったら死活問題!負債は増え、ゆくゆくは倒産だ。

一方、農産物価格が下がると「消費者が喜ぶ」ではなく「国民が豊かになる」んですね!そこまで頭が回らなかった・・・。

これが食糧政策の一つの考えなのか…。これ農業者として心境は複雑だ。

北海道でもうちの地域でも農業はドンドン大規模化していまして、一方、農家数は30年間で1/3になった。

強みに特化して大規模化し生産効率が上がる→国民が豊かになる→価格下落で農家が苦しくなる・・・

そんな恐ろしいループを考えてしまうのは私だけかな?🥹どうやって生き残ればいいんだーっ。って考えさせられる本なのであります。

農業に関わる人、すべてに読んで欲しい社会派な農業書。知識欲も満たされつつ、農業経営戦略を考えざる得なくなる良書です。

農業本気でやっててこの本読んでいなかったら、ちょっと恥ずかしいかも?!とすら感じますわ。

【誰も農業を知らない2】有坪民雄さん著の感想でした。

では今日も一日、ボカシ肥の発酵案配にニヤニヤしながらも、自分と自分の周囲の人がより一層幸せに豊かになるよう、自分の能力を発揮します!彌榮っ( ^_^)/▢