寺坂農園の富良野メロンはなぜ美味しいのか…。

その秘密がこの連載に書かれています。

感動農園産直農家「寺坂農園」は、
北海道のほぼ中央、ラベンダーで有名な中富良野町にあります。
最高に美味しいメロンづくりを実現するため、リスクを恐れず、
先代から受け継いできた稲作、大豆栽培を辞め、イチゴ栽培もやめて、富良野メロンの栽培に多くの情熱を注いでいます。

富良野メロンの栽培は2017年で23年目になります。
100~120メートルのビニールハウス32棟で
約30人のスタッフとともに、年間約3万玉のメロンを育てています。

メロン畑 社長

寺坂農園は、メロンの種まきを10日ずつずらして14回に分けて行い、
6月中旬の初物メロンから9月中旬まで、約4カ月間メロンを収穫・販売しています。
同時に、年に14回もメロン栽培にチャレンジするため、
失敗と成功、検証を重ねており、美味しいメロン栽培のノウハウが蓄積されています。

この連載は、日々更新している公式ブログの中から、
メロン栽培に関するものを集め、集約した総集編・2016年版です。

連載1は、厳冬期に始まる土づくり、接ぎ木などの苗づくり、
そして整枝作業など、美味しいメロンづくりの根幹に関わる部分をご紹介します。
ここまででも、寺坂農園のメロンが美味しい理由がぎっしりつまっています。

また、こだわりはもう知っているから、美味しいメロンを早く注文して、食べたい!
ということでしたら、なお、寺坂農園のメロン通販専用ページはこちらです。
http://furano-melon.jp/products/melon/

また、寺坂農園代表取締役の寺坂祐一が平成27年9月に出版した著書
「直販・通販で稼ぐ!年商1億円農家 お客様と直接つながる最強の農業経営」(同文舘出版)
も好評発売中です。
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では、「美味しい富良野メロンづくりの秘密」スタートします。

●メロン栽培の第1歩は寒―い1月にスタート

北海道中富良野町にある寺坂農園。
私たちのメロン栽培は毎年1月下旬頃から始まります。
2016年1月26日。マイナス23度という鼻毛も凍る危険な寒さの中、
無風のタイミングをねらって、ビニール掛け作業を進めます!

ビニールハウス掛け

今年は例年より開始を10日早めました。
6月10日に収穫を開始する戦略です。
今年も甘くて美味しいメロン、たくさん育てるぞ!

1月27日は、今年のメロン栽培用の自家製発酵肥料『ボカシ肥』を作りました!
米ぬか、大豆カス、炭、魚粉、土、バーミキュライトを混ぜて
60度まで発酵熱が上がるので、切り返し作業を行います。
水分を50%ぐらいに調整します。

一斗缶を湯たんぽにして、ボカシ肥原料の有機資材を積み込んだら
3日で60度まで発酵させます。
酸素を供給し、発酵を促すため、一日一回スコップで切り返しです。

ぼかし肥 切り返し

足下はポッカポカで、発酵臭は強烈です。
発酵過程で様々な微生物が活発に動き、
糖、アミノ酸、アルコール、タンパク質が生まれます。
おいしいメロン作りには欠かせない、微生物いっぱいの土作りです。

寺坂農園のメロンハウスは全部で32棟。
順次ビニール掛けをしますが、その際に邪魔になるのが「雪」です。
大半はトラクターで除雪しますが、パイプの近くは人力で除雪しなければなりません。

ハウス除雪

スコップで綺麗に取り除く作業がけっこう腰にくるんですよね(>_<)。

●2月上旬から苗作りを開始

今日は2月15日です。
このカワイイ双葉は、メロン育苗ハウスで発芽した『ルピアレッド』の苗です。
播種(たねまき)して5日目です。実は少しヒョロヒョロなんです。
曇りや雨の日が続き日照不足による徒長(茎や葉がむだに伸びること)です。

メロン双葉

温度設定を少し下げて(地温25度→22度に)育苗ハウス内に接地してある循環扇(送風機)を回して微風を作り、
メロンの苗を刺激して徒長を防ぎます。
強くてしっかりした苗が目標です。富良野の2月は日照が少ないので、毎年、腕の見せ所ですp(^ ^)q

メロンの種まき動画を作りました。実際の種まき作業を、わかりやすくまとめてみました(^^)
メロンは、約10日間隔で14回種まきします。今頃から5月下旬まで続くのです。

これで6月中旬~9月中旬まで、継続しておいしいメロンをお届けできます。動画見て下さいね~(^^)/

苗作りと同時に進めているのが、ハウス内の『土を乾燥させる』ことです。
メロン畑を作る時に、水分が多すぎる湿気った土をトラクターで耕すと、物理性が悪化してしまいます。

メロンハウスとハッピー

土の表面が白く乾き、土壌水分55%ぐらいが理想です。
気持ちよく耕すことができて、微生物の住みやすい良い土になります。
このハウスはまだ乾燥が不十分です。

太陽の光をビニールハウスに取り入れるためにも、ほぼ毎日雪下ろしをしています。
地道な作業が、美味しいメロンづくりにつながります。
柴犬ハッピーも、土の匂いを嗅いで春の訪れを感じています。

●おいしいメロンを収穫するのに大切な「接ぎ木」

接ぎ木作業が2月21日からスタートしました。
接ぎ木とは、メロンの成長を助ける苗(台木)と、メロンが実る苗(穂木)を繋ぐ作業。
病気に強いメロン苗を栽培するため、大切な作業です。

カミソリでそれぞれの苗に斜めに切れ目を入れ、傷口を重ねてクリップで固定。
ポットに植え替えます。後は、ハウスに定植できるまで、大きく育つのを待ちます(^_^)

接ぎ木メロンのポット

意外に難しく、作業に慣れていないとうっかり頭を切り落としちゃったりします。
今日はベテランメンバーなので安心して見ていられましたよ(^_^)
これからのメロンの成長が楽しみです♪

接ぎ木作業がわかる1分40秒の動画も公開しました。
約10カ月で7400人の方に視聴いただきました。ありがとうございます。
接ぎ木はすごーっく細かい作業。
茎の太さが3mmも無い中、カミソリで切れ目をいれて台木とメロンをくっつけていきます。

寺坂農園では『呼び接ぎ』という接ぎ木方法を行っています。
そのほか『刺し継ぎ』や『割り継ぎ』など、数種類方法があります。
すごく面倒で、コストもかかる接ぎ木作業。

なぜわざわざこれをやるのかと言えば、
おいしいメロン“ルピアレッド”は根が弱いのが欠点なので、
その弱さを補うために、その根を、根が強い品種と交換する「接ぎ木」をして、
美味しいメロンができる苗にするというわけです。
この接ぎ木を毎年約8000粒(苗)分やっているのです。

接ぎ木直後は、苗が弱っているので…
遮光ネットで強い光が当たらないように約1週間、光を調整します。
しっかりくっついて苗が元気になったら遮光ネットを外し、
日光に当てて強い苗作りを目指していきます。

接ぎ木メロンのポット2

毎日注意しながら、温度と光の管理作業が続きます。
接ぎ木が失敗していたら、この段階でしおれて枯れてきます。
今回は成功率、高そうです!p(^ ^)q

●冬の北海道・富良野~猛吹雪の日もあります

2016年02月29日は大荒れでした。

暴風雪でホワイトアウト・・・

ビニールハウスのビニール掛け作業は10棟まで進んでいる。
そんな時期にやってきたモーレツ吹雪。
吹きだまりになった雪がビニールハウスにのしかかると、
ハウスが潰れるという経験も過去にあります。

暴風雪

心配で見回りをしているのですが寒くて顔が痛くて・・・(>_<)。
あまりにもビニールハウス周りに雪がたまってきたら、除雪に出動しなければなりません。

●ポッド(鉢)の土詰め作業。段取り・事前準備が大切

メロンの種をまいたら、すぐにポッド(鉢)の土詰め作業が始まります。
スピードポッターという土詰め道具を使っていきます。
スピードポッターを使えば、一気に98個の土詰めができます(^^)
種をまいた数だけ、用意していきます。

スピードポッター

これを温床苗床に並べ、水を掛けて染みこませて、土を温めておきます。
メロンは高温作物なので、冷たい土のポッドに植えると根が止まってしまい、しおれます。
農作業も段取り、事前準備がとても大切なのです。
春で約一万鉢土詰めして育てます!

↑これが土詰め作業動画です。腰が痛くなる作業です。

●メロン苗が育っています

今日は3月8日。
メロン苗『ルピアレッド』が1.5葉期まで育ちました。
マイナス25度の日の数日後にはプラス気温で雨が降ったり、春が徐々に近づいています。
ビニールハウス掛けも残り5棟です。
苗も順調に育ち、接ぎ木もピタッとくっついたので、接ぎ木クリップは外しました。

メロン苗1

外は一面、雪ですが、緑を見ると春を感じます。
メロン苗も3葉まで展開したらメロン畑のビニールハウスに定植です。
畑の準備もしなきゃ!
ですが、天候が悪くて畑が乾かない…
晴れの日が続きますように(>人<;)

接ぎ木接合部分

メロン接ぎ木の接合部分です。
しっかりとくっつきました!
当農園は『呼び接ぎ』という方法で
おいしいメロン【ルピアレッド】に
病気に強い元気なメロン(台木)をくっつけて、メロンを育てます。

台木に使う病気に強いメロンは、その名も『ダブルガードEX』。
強そうな名前(笑)
根が弱いルピアレッドメロンの欠点を補っています。
根の部分を助けてもらったルピアレッドはグングン栄養を吸って
すくすくと生育していきます。
収穫期までメロンがスムーズに生育して、
甘くて大きいメロンが収穫できますよ。
手間とお金がかかる接ぎ木ですが、すばらしい農業技術です。
先人の知恵に感謝ですね。

農園冬景色

寒い日には澄み渡る青空、そして美しい十勝岳連峰、左奥には大雪山も見えます。
空気はキリッとしています。

お手伝い
スタッフがお休みの日曜日は、子どもたちも接ぎ木のクリップ外しを手伝ってくれました。

●種まき・接ぎ木・育苗が重なる忙しさ!

3月15日。第5回目の種まきです。
メロン品種ルピアレッド1340粒と、台木用ダブルガードEX1340粒です。
メロンの育苗ハウス、苗の数がどんどん増えてきています!
約10日おきに種まきをするんです。
今種をまくと、ちょうど7月上旬頃に収穫できます。

メロン芽吹き

メロンギフト、贈答用のご注文に合わせて、ここはたくさん育てます。
ここから1ヶ月ぐらいは、種まきと接ぎ木作業、苗育てのピーク時期になりました。

メロン芽吹き2

発芽の瞬間です。なんか『生命が生まれる瞬間』。
大切に育てて生きたくなりますね。
あぁ~、めいんこいわ(^o^) 気を抜かず、
水やりや温度管理など、メロン苗の栽培管理作業に毎日取り組んでいます(^^)/

●メロン苗38日目。本葉3枚が展開

メロン苗本葉3枚

3月18日です。メロン苗、種まいて38日目。
本葉3葉が展開し、大きく育ってきましたよ~\(^^)/
日照不足か、ちょっと葉が小さいかな。
でも、元気に苗が育ちました。

あと3日ほどで・・・
メロン畑のビニールハウスに植えなきゃ!
やっと20棟のビニールハウスの除雪・ビニール掛けを終わらせたのですが、今度はメロン畑の準備。
農場長、大忙しです(^^;)

品種はルピアレッド。
一番最初に植えるのは数が少なく、70mのビニールハウス1棟のみ。苗の本数にして180本ほどです。

●メロン苗を植える前に摘心作業が必要

いよいよメロンを植える時期になりました。
その前に苗の芽を摘みます。『摘芯(てきしん)』という整枝作業です。
3枚目の葉の上で、4枚目の葉(芽)をポチッと取ってしまいます。
そして余計な脇芽も掻き取ります。
こうすることで1葉と2葉の間から伸びるツルを伸ばし、メロンを生長させていくのです。

1分16秒の動画で【メロン苗の摘心作業】を解説しました!
芽を2つ残し、それ以外はすべて取り除く大切な作業です。

●メロン畑の準備も進行中

3月19日です。気温が10度近くの日が続き、雪解けが進んでいます。
今日はメロンハウスで畑の準備です。

ハウス準備

温水パイプを埋めて、真ん中に通路を造って、
黒、緑、透明のマルチシートを敷いて、トンネルを作って・・・と、
やることいっぱいです(^^;)

温水パイプ

なお、6月中~下旬に収獲される初物の富良野メロン
温水パイプで土の温度を温めて栽培しています。
寒い北海道で高温作物のメロンを栽培するには、加温が必要。

寒い時期に育てることはリスク、コスト、管理の面では大変ですが、
糖度の高い美味しいメロンが出来るんですよ♪
お客様がこの初物の富良野メロンを喜んで食べてくれたら嬉しいですね。

●メロン生育のために4重の被覆を!

メロン畑を耕した後は、マルチフィルムで土を覆って二重のトンネルビニールをかけます。
屋根の二重と合わせて四重被覆です。
これでメロンが育つ最低温度を確保。
地温で16度以上。気温で14度以上(目標)を保ちます。

ハウス4重の被覆

最高気温25~30度ぐらいを目安に。
トンネルをかけた後はビニールハウスを閉め切って温水を通しながら、太陽光でメロン畑の土を暖めます。

●いよいよ畑にメロンの苗を植える定植

良く育ったメロンの苗を3月23日、いよいよメロン畑に植えます。
腰が痛くなる定植作業、いよいよ開始です。

メロン定植

メロンの苗をビニールハウスに運び、75cm間隔で穴を開け、苗を植えていきます。
メロンの苗は根が弱いので、やさしく扱うことが大切。
新人さんが2名いたので、マンツーマンでぴったりと張り付き、メロン苗の植え方を教えました。

土に深く植えすぎてもダメ。病気が出やすくなります。
土に浅く植えてもダメ。苗の土が乾いて、しおれやすいです。

メロンの定植作業のノウハウを2分1秒でまとめました。

温水パイプが入っているので、土の温度は18度あってバッチリ。
メロン根が伸びるのには、16度以上の土の温度が必要なのです。

育苗ハウスだけではなく、メロン畑の温度管理・生育管理も始まりました。
これから9月まで毎日、油断できない、緊張感ある毎日です。

●ロータリーで畑を耕す快感!

3月24日。どんどん畑を耕す一方、10日間隔でメロンの種を植えていきます。
これはトラクターで行う「ロータリー」作業です。
『ロータリー』とは、トラクターの後ろに装着する、爪がたくさんついて回転する畑を耕す機械のことです。

ふかふかの畑

堅く締まった畑の土が、細かくふんわり柔らかく仕上がると
「やったぜ!」という気持ちになり、快感です\(^o^)/

昨年秋にヒマワリとエン麦を蒔いて緑肥として育て、畑にすき込みました。
そのとき、漁カスと米ぬかも投入。
有機物を適正にメロン畑へ投入し、土が適正水分になってから耕すなど
毎年の積み重ねがよい土作りの成功につながります。

だから、きれいに畑が仕上がるととってもうれしいのです(^^)
さぁ、どんどんメロン畑を作りますよ!

●種まきは女性の方が得意?

柴犬ハッピーが監視する中、3月27日は6回目のメロン種まきをしました。
「フラーチェ」という品種を1250粒蒔きました。

ピンセットで一粒ずつ並べていく…しかも1250粒…30分ぐらいで

「あーっ!もうやだっ!!」(もちろん最後まで続けます)

こういう仕事はやはり女性が強い。
文句も言わず、地道にやり続ける。すごいなぁ~。

種まき

メロンの種、一粒の値段は約50円です。
50円玉を並べていると思えば・・本気の作業になってきます(^^)/

一年間に種まきする数は、メロンと台木を合わせて19000粒。
えーっと、19000粒✕50円=950,000円!!!
ほ、ほぼ百万円・・・・
計算しなきゃよかった( ̄□ ̄;)
大丈夫か?!テラサカ農園っ!!
もちろん大丈夫です(^-^)

●トラクターの「踏圧(とうあつ)」がポイント

この動画でも説明しているとおりこだわっているのが、トラクター。

ヤンマーのセミクローラートラクタ エコトラデルダ EG453J、なんまら高いです!

土を踏まない、踏圧(とうあつ)の低い、後輪がクローラーになっている
ヤンマートラクターを使っています。
まさに土に対する投資です。
良い土で、良い作物が育ち、甘くておいしいメロンが収穫できる。
当農園の理念遂行できるのです。

このトラクターがとにかく土に優しい。
土は生き物。生命体です。
タイヤでギュッと踏み固めたくはない。
その想いで、この高いトラクターを借金して買いました(笑)
早く支払いが終わらないかな~!
とっても価値あるトラクターです。

●太陽光をもっと!ビニールハウスの洗浄作戦

メロン生産には『光』が命っ!!
なのに~二重ビニールが汚れすぎている(T_T)
防除機を引っ張り出して、洗浄作戦です。

メロンにかかわらず、農産物生産は『太陽エネルギー利用産業』なのです。
光が大事!!メロンはビニールハウス栽培なので、光の透過率も大切な要素です。

ハウス洗浄前

格納庫から防除機を引っ張り出して水で洗浄作戦を実行しました!
ハウスサイドの隙間から、ホースで二重の上面に水をかけ、さらに内側も圧力水で洗浄。

ハウス洗浄後

かなり光の透過がよくなりました!\(^o^)/
洗浄前と後を見比べてください。
あー、気持ちいいぜ!この達成感。

メロンが太陽光を気持ちよく浴びてスクスクと成長すること間違いなし。
カッパ着て頑張りましたよp(^^)q

余談ですが、ミニコンテナが他の農家さんの物と混じらないように
名前を入れる作業なんてこともします。

ミニコンテナ

「て」の意味は、寺坂農園の頭文字で「て」です。
えーっと、アイディアもセンスもないです(^_^;)

●ついに4月!マルチシート貼り作業

4月2日。太陽光を存分に生かすマルチシート貼り作業です。
マルチシート張りの目的は
・土壌水分の保水
・地温向上
・病害の減少
などなど・・・
メロン栽培に必要な技術です(^^) 一日太陽浴びたら、土はホッカホカに暖まります。
メロンはその余熱・蓄熱で夜の寒さをしのぐことが出来ます。
太陽エネルギーの有効利用ですね。

マルチシート張り

右側のサイドにライトグリーンを張る理由は【雑草防止】です。
作業などで人が歩くところなので、足跡で凹んだところから雑草が生えて盛り上がってきます。
そこをライトグリーンマルチを張って、雑草を抑制するのです。
見事に生えてきません。

透明のマルチシートは、一番地温が上がりメロンにいいのですが、雑草が生えるのがネックです。
メロンを植える場所は、暖まるように透明をかけます。
芽が出た雑草は、太陽熱の暑さでほぼ枯れていくのです。

ただ、透明マルチシートの場所でも足跡など凹みがあると、そこだけ雑草が伸びて、シートを大きく持ち上げたりするので大変!
ですので、トンボを使って土を平らにする整地作業を丁寧に丁寧に行うのです。
いろんなノウハウがあるでしょ(^_^)v

●『適期・適作業』の大切さ

今日は4月4日です。3月23日にメロンハウスに植えた第1号のメロン苗は
ツルが4節ほどまでぐんぐん伸びています。
順調です\(^o^)/
3月中旬~下旬は、天気がよかった。
加温の灯油もあまり使うことなく、スクスクと成長しております。

整枝作業

そこで!第一回目の整枝作業。
不要な芽を欠いていき、2本の子ヅルだけを伸ばしていきます。
軽作業ですが、暑い中での仕事です。この写真は整枝後の写真です。

メロン栽培では『適期・適作業』という考え方が極めて大切です。
整枝も、子ヅルが4節まで伸びたタイミングでこの整枝作業を行います。

たとえば・・・作業適期を逃して、メロンのツルが伸び放題になってから
整枝作業に入ると、余計に手間がかかり作業量が3倍ほどになってしまいます。
しかも、メロンの生育にダメージを与えてしまうんです(>_<)

また、害虫のアブラムシが発生しても、
発見してすぐに農薬散布すると、最小限度の農薬使用量で害虫を押さえることが出来ます。
もし3日後に農薬散布したら、あっというまにアブラムシが広がって
収穫まで数回散布しないといけなくなってしまいます。

『適期・適作業』はとぉぉーーーーっても大切です(^_-)

メロン整枝第一回目の2分動画です。多くの方に見て頂いているようです。ありがとうございます。

この動画はメロン整枝2回目&ツル曲げのノウハウです。

●ひまわり緑肥はメロンを甘くする!

寺坂農園では、メロンを育てた後に、緑肥としてヒマワリを育てています。
緑肥には、ほかにもエン麦、豆科の緑肥、ソルゴーなど、いろいろ種類があります。
ですが、ヒマワリを緑肥として育て畑に耕し込むと、特有のメリットがあるんです。

土壌中の菌根菌(マイコライザ)を増やし、後作のリンサン吸収を促進させる。~タキイ種苗のHPより引用~
翌年春からのメロン栽培で、リン酸の効きがよくなる、みたい。
リン酸が効くと、単純化した考えではメロンが甘くなると言われています。(その他、要因はたくさんあります)
だから、面倒(ほんと手間)でも種が高くても、メロン栽培後のヒマワリ緑肥栽培に力を入れてます。

ひまわり

この写真は前年の9月頃です。
6月下旬にメロンの収獲が終わった畑に、7月上旬にヒマワリの種をまきます。
2カ月すると綺麗な花が咲きますが、種ができると雑草化してしまうので、その前にトラクターで土に耕し込みます。

土壌改良効果、高いんですよ!
土が軟らかくなって、微生物がいっぱいになって、肥料も有効化しやすくなります。
そして、ヒマワリはゴボウのような根っこなんです。
硬い土も突き抜けて根が張るので、耕盤という堅い層も砕いてくれます。

●生育がぐんぐん加速中!

4月12日です。メロンのツルがぐんぐん伸びているので、
女性スタッフは2回目の製枝作業をしています。

整技作業2

外は2度。ビニールハウスの中は25度で一定。
激しい寒暖差が体に負担です。
「暑い~!」といいながら、作業しています。

生育はとても順調♪
子ヅルが12節程まで伸びているので、9節まで芽かきして、
「ツル曲げ」という作業でツルの伸びていく位置を固定します。
毎日成長していく緑を見ているってホント気持ちがいいです。(最初の時だけですが…笑)

●寒い日もメロンたちはぬくぬく

今日は4月15日。とても寒い日です。

メロン苗

私もビニールの中に入りたいです(笑)

●ビニール掛け作業は早朝5時から

4月16日。今日は4棟のビニールハウス掛けを終えました。
作業開始は朝5時からです。早朝から作業する理由は…
無風だからです!

寺坂農園は、富良野盆地のほぼ真ん中に位置しています。
ですので『風の通り道』で風が強い。

太陽が上がってきて気温が上がり始めると、すぐに風が吹き始めるのです。
5時から作業開始して4棟目が終わる10時頃、風が吹き始めました。アブナイ…

ハウス掛け

ビニールハウスの巻き取りパイプでそのまま天井に巻き上げたのでヒモを緩め、ゆっくりおろしていきます。

久しぶりに天井に上って作業しました。
普段使わない筋肉がイタタ(>_<)体重が5Kgも増えてるし…。
でもまだ10棟もビニール掛けが残っています。

1月にスタートしたメロン栽培ももう4月中旬。
ビニールハウスに定植されたメロン苗もぐんぐん育ちます。
美味しいメロンが収穫できるまで、まだまだ過酷な道のりが待っています。

連載2へ つづく

寺坂農園のメロン作り総集編
連載1 最高の富良野メロンづくり~寺坂農園
連載2 寺坂農園 おいしい富良野メロンの秘密
連載3 北海道で最高のメロンを作るために~寺坂農園