厳しさを伝えながらも、農業への愛が
ぎっちり詰まった農起業の指南書。
もうね、これタイトルまんまの本です。

ゼロから始める!
脱サラ農業の教科書 田中康晃さん著


なんか、心にじんわりきたわ。
思い出したよー、
27年前に地元農業高校を卒業し
18歳で農業を始めた頃を…。

私は、父が農業をしていなくて
おじいちゃんと母が農業していた
兼業農家の跡継ぎだったんだ。

めずらしいでしょ(^^)
ボチボチと農業を続けていた
『おじいちゃんの跡継ぎ』だったワケなのだ。

まぁ、子供の頃から農業後継者として
洗脳うけて、社会に出た私だったので
なにも疑問を持たずに農業に従事。

だが、1年やってみて、現実に直面する。
とんでもない赤字経営だったのである。
しかも、借金てんこ盛り♪

父が会社で働いていたので、
すんごくよく働く父だったので、
その稼ぎで農家の赤字を埋めていたんだ。

その事実を知った19歳の祐一君(私)は
若くして人生に絶望する。
そして、父とじいちゃんと喧嘩する。

まぁ、喧嘩するわな。
「だまされたー!」って。
したっけさ、父が言った言葉が、よかった。

「農家はみんな、同じだ」

これ、説得力あったね。
周囲や大先輩の農家を見ていても
農業で稼ぐ大変さ、
現実の厳しさを直視せざるえない。
19歳で絶望しかけたよ…。

でもそこから、私は奮戦した。
19才にしてすでに『農業経営者マインド』スタート。
農業簿記を学び、栽培技術を学び…。

誰にも負けないくらい畑で働いたし、
農業書をむさぶり読み
PDCAを回しまくったよ。

うんで、返したよ。借金。
親から継承させていただいた1400万の
借金を25才で完済できたときは
ホント、安心したなぁ…。
(自分だけではなく家族みんなの
おかげで返済できました。)

そんな20年前の若い頃を思いだした。
この本を読んで。

『脱サラ農業で成功した』系の本って結構出ていますよね。

実際に出した結果が書かれているので
重みがあり読んで勉強になります。

この本はちょっと違う。
本当にタイトルまんまの
『脱サラ農業の教科書』なのだ。

著者は
農業+行政書士+農業起業塾 主宰。
この田中康晃さん、すごいー。
あらゆる角度から『農業』のことを
見事に解説されています。

自分も一応ベテラン農家?
まぁ、年齢的にも経験年数からも。
そんな私が読んでも
勉強になるところがたくさんありました。

1章 1年後にムリなく就農できる7つのステップ
2章 ゼロから農業を始める前に知っておくべきこと
3章脱サラ農家6つの壁を越える実践ノウハウ
4章強みを生かす脱サラ農家の経営術
5章ライフスタイル別農業モデル
6章 幸せな脱サラ農家が増えるために必要なこと

3章が特によかった。
内容は極めて実践的だ。

農業で起業したい人。
農業に携わりたい人に
とーってもお勧めできる本です。

一番心に響いたところは、
※21Pからの引用です
幸せな脱サラ農業への第一歩

「それは、なんといっても
「なぜ、農業を始めたいと思ったのか?」
ということについて、
自分の心の中を深堀することに尽きます」

この本を読みながら
私は『農業という手段を選び』
何を実現しようとしているのか?

自分と対話しながら
農業を楽しんで生きます。